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新型インフルエンザ対策導入のプロセス

2008年11月23日 rescuenow2

 新型インフルエンザ対策を導入するにあたり、真っ先に行うべきは経営層と危機管理担当との間での合意形成です。基本事項の合意無しで立案を進めると、手戻りが多くなり、時間とコストを無駄にする惧れがあります。

 まず最初に合意すべきは被害想定です。不確実性の高いリスクのため、被害想定の振れ幅は大きく、「ここまでやるの?」「これで大丈夫?」という認識の違いがあって当然です。
 その際に重要なことは、最善のケースでは対策はほとんど不要で、最悪のケースでは一企業レベルでの危機管理対策は全く機能しないことを理解することです。
 厚生労働省等が想定している一般的な被害想定をベースとして捉えて必要最低限の備えをし、後は発生後に柔軟に対応するというやり方が企業にとっては現実的と思われます。

 次に合意形成が必要なことは、事業継続・縮退の方針です。そもそも被害想定の不確実性が高いため、どの業務を継続して、どの業務を縮退・停止させるかは必ず意見が分かれるところです。この段階においては、あくまでも方針として、一般的な被害想定をベースに縮退プランを仮置きして、計画検討を先に進めた方が建設的と思われます。


 ここまで経営層のコンセンサスが取れ次第、具体的な危機管理の計画づくりへの着手となります。
 計画としてまず取組むべきは危機管理体制と手順の作成です。外部からの情報収集、従業員への質問・指示、感染予防対策の実施、ステークホルダーへの連絡等、どのような指示命令系統で、誰が実施するのか明確化します。

 続いて実行手段の調達と導入です。上記の計画に沿って、感染予防備蓄品の購入従業員とのリスクコミュニケーションのための情報システム導入従業員向けのガイドブック制作等、必要な手段を調達します。
 危機管理対策導入の最後は従業員への教育です。上記の計画や手段は、従業員1人1人に徹底されてこそ意味があります。1人の無理解な行動が大きな感染リスクとなってしまいます。また、従業員の家族も感染源になる惧れがあるため、教育の対象をそこまで広げる必要性があります。
 ここまでやって危機管理対策の導入完了です。


 ここからは事業継続計画の作成です。まずはビジネス影響度分析(BIA)で継続すべき業務を特定し、継続する上でのボトルネックとなるリソースを抽出します。抽出したリソースについて代替や二重化の対策を検討することになります。
 そこで新型インフルエンザ対策の場合に重要になることは、外部リソースに依存する業務の継続です。対象となる取引先やアウトソーサーの事業継続計画を確認し、不足がある場合は対策を依頼する必要があります。
 後は欠勤率のパターンごとの想定シフトを検討すべきでしょう。


 ここまでで新型インフルエンザ対策の導入は一通り完了ですが、導入しただけで安心することはできません。有事の際に対策を確実に実行するためには、運用・訓練・継続的改善に取組むことが求められます。


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