- ホーム
- 1)計画
新型インフルエンザに対する危機管理対策とは
2008年11月26日 | 個別ページ
企業にとっての危機管理とは、リスクを組織的に管理し、損失を回避もしくは低減をはかるプロセスを指します。一般的には発生頻度と影響度の観点からリスクを評価し、リスクの種類に応じて対策を講じます。
新型インフルエンザは企業を取り巻く様々なリスクの中でも発生確率が高く、そして重大な影響が予想されるため、対策に注力する企業が増えてきています。
新型インフルエンザの危機管理対策の中身は、「方針」「危機管理体制」「危機管理手順」等により構成されます。また、危機管理手順を組織的全体が確実に実行するために準備する具体策としては、「感染予防備蓄品」「従業員と家族への教育」「リスクコミュニケーション」等が上げられます。
新型インフルエンザ対策:危機管理対策に求められる要件
2008年11月25日 | 個別ページ
新型インフルエンザの危機管理に求められる重要な要素は以下の3点です。
まず、「初動」の重要性ですが、世界のどこかでヒト-ヒト感染の封じ込めが失敗した段階で、危機管理対策発動を検討する必要性があります。経済のグローバル化、交通機関の発達、そして首都圏における人口密集を考慮すると、数日間で日本中に感染が拡大するリスクがあります。正確な情報収集と、迅速な決断が求められます。
次に「外出自粛」ですが、ヒトとヒトとの接触によって感染は拡大するので、その接触を極力無くすための措置として最も有効な手段です。特に都市部では、満員電車通勤における感染リスクは高いと思われます。従業員の在宅勤務や、コアな業務を除いて事業を一時的に縮退することも考えなくてはなりません。
国立感染症研究所の大日康史主任研究官のシミュレーションによると、感染拡大防止策を講じ、電車の利用など外出者が普段の6割程度にまで減った場合、感染者をおよそ15分の1に抑えられるとのことです。
最後に「感染防止」ですが、マスク等の外出時の装備と、帰宅時の手洗いや消毒等が有効とされています。きちんと理解して徹底することにより、感染リスクを低減することができます。
しかし、震災等の他の災害と異なり、1人の従業員の無理解な行動が企業にとって大きなリスクとなることを企業は認識しなくてはなりません。他のリスク以上に教育に注力する必要があります。また、従業員が感染するリスクは家庭にもあります。従業員の家族にまで教育の範囲を広げることも考える必要があります。
レスキューナウでは、新型インフルエンザ対策に対応した危機管理対策立案のソリューションをご用意しております。詳細はこちら
事業継続計画(BCP)とは
2008年11月24日 | 個別ページ
事業継続計画(BCP)とは災害による影響度を分析し、発生時に事業を確実に継続するための計画です。被害を最小化する備えと、被害から迅速に復旧するための対策を準備します。また、その策定・運用・訓練・継続的改善の取組みを事業継続マネジメント (BCM) と言います。
新型インフルエンザが企業に与えるリスクは、実際のところ発生してみなくては分りません。医療面での研究が進み、国や自治体の対応が変化し、サプライチェーンを形成する取引先の対応も変化していくと思われます。一度計画をたてて終わるのではなく、このような不確実性の高いリスクにこそ、事業継続マネジメント (BCM) が行われる体制を構築することが求められます。
新型インフルエンザ対策:事業継続計画(BCP)に求められる要件
2008年11月24日 | 個別ページ
新型インフルエンザ対策としての事業継続計画は、地震時のタイムラインと違い、有事が発生した直後からの復旧という位置付けではなく、フェーズ4Bからフェーズ5B時にかけて、事業を縮退しての継続という方針でBCPを考えておかなければなりません。
実際には、首都圏の場合には、フェーズ4B(国内発生)直後に外出自粛と業務縮退を実施すれば、相当な効果が期待されています。
事業運営体制の変更は、企業において、非常に難しい組織変更を伴います。一般にリスクマネジメントを実行する際にも、ビジネス影響度分析(BIA)を実施しますが、このケースでは、損害・損失の類によって判断されていた重要度の基準に、生命優先、社会的な観点を加えて優先度を決定する必要があります。
従業員の就労パターンは勤務地や業務内容に基き、通常出勤、在宅勤務、自宅待機(コア業務のバックアップ要員)等に分けて縮退の割合を決めます。 また、感染による欠勤率も想定して、計画を作成する必要があります。
フェーズ4B直後から段階的に縮退を行い、フェーズ6Bでは、その都度の状況に応じて臨機応変に縮退のパターンを変える必要がありますが、回復期が近づいた際には、逆に縮退から出勤の割合を多くする方向に持っていく等の縮退と復旧のプランが必要となります。
また、その出勤パターンによって感染防止備蓄品が配布されることになります。
レスキューナウでは、新型インフルエンザ対策に対応した事業継続計画策定のソリューションをご用意しております。詳細はこちら
新型インフルエンザ対策導入のプロセス
2008年11月23日 | 個別ページ
新型インフルエンザ対策を導入するにあたり、真っ先に行うべきは経営層と危機管理担当との間での合意形成です。基本事項の合意無しで立案を進めると、手戻りが多くなり、時間とコストを無駄にする惧れがあります。
まず最初に合意すべきは被害想定です。不確実性の高いリスクのため、被害想定の振れ幅は大きく、「ここまでやるの?」と「これで大丈夫?」という認識の違いがあって当然です。
その際に重要なことは、最善のケースでは対策はほとんど不要で、最悪のケースでは一企業レベルでの危機管理対策は全く機能しないことを理解することです。
厚生労働省等が想定している一般的な被害想定をベースとして捉えて必要最低限の備えをし、後は発生後に柔軟に対応するというやり方が企業にとっては現実的と思われます。
次に合意形成が必要なことは、事業継続・縮退の方針です。そもそも被害想定の不確実性が高いため、どの業務を継続して、どの業務を縮退・停止させるかは必ず意見が分かれるところです。この段階においては、あくまでも方針として、一般的な被害想定をベースに縮退プランを仮置きして、計画検討を先に進めた方が建設的と思われます。
ここまで経営層のコンセンサスが取れ次第、具体的な危機管理の計画づくりへの着手となります。
計画としてまず取組むべきは危機管理体制と手順の作成です。外部からの情報収集、従業員への質問・指示、感染予防対策の実施、ステークホルダーへの連絡等、どのような指示命令系統で、誰が実施するのか明確化します。
続いて実行手段の調達と導入です。上記の計画に沿って、感染予防備蓄品の購入、従業員とのリスクコミュニケーションのための情報システム導入、従業員向けのガイドブック制作等、必要な手段を調達します。
危機管理対策導入の最後は従業員への教育です。上記の計画や手段は、従業員1人1人に徹底されてこそ意味があります。1人の無理解な行動が大きな感染リスクとなってしまいます。また、従業員の家族も感染源になる惧れがあるため、教育の対象をそこまで広げる必要性があります。
ここまでやって危機管理対策の導入完了です。
ここからは事業継続計画の作成です。まずはビジネス影響度分析(BIA)で継続すべき業務を特定し、継続する上でのボトルネックとなるリソースを抽出します。抽出したリソースについて代替や二重化の対策を検討することになります。
そこで新型インフルエンザ対策の場合に重要になることは、外部リソースに依存する業務の継続です。対象となる取引先やアウトソーサーの事業継続計画を確認し、不足がある場合は対策を依頼する必要があります。
後は欠勤率のパターンごとの想定シフトを検討すべきでしょう。
ここまでで新型インフルエンザ対策の導入は一通り完了ですが、導入しただけで安心することはできません。有事の際に対策を確実に実行するためには、運用・訓練・継続的改善に取組むことが求められます。
レスキューナウでは、企業の新型インフルエンザ対策、計画・備蓄・教育・運用の各項目に対応したソリューションをご用意しております。詳細はこちら
新型インフルエンザの危機管理対策 平時における準備事項
2008年11月20日 | 個別ページ
危機管理対策として、平時(フェーズ3)の際に実施しなければならない項目は概ね以下のような内容です。
1. 対応計画の策定(Plan)
- 各フェーズごとの想定シナリオ作成と対応の基本方針を整理
- 対応組織の検討
- 必要な対策と優先度の設定
- 対応スケジュール案策定と予算化
- 経営陣への説明・了承
2. 体制の構築(Plan)
- 初動対応組織(対応組織、メンバー、エスカレーションルート等)
- 対策本部組織(対応組織、メンバー、エスカレーションルート等)
3. 感染防止備蓄品の準備(Do)
- 感染防止備蓄品の購入、保管、配布
4. 教育・啓蒙(Do)
- マネジメント層への教育
- 従業員・家族向け冊子e-Learning制作 教育実施
- 訓練計画
5. ドキュメント整備(Do)
- 必要なドキュメント(主に危機管理マニュアル組織編、従業員編、事業運営体制変更ガイドラインなど)整備
6. 情報配信・情報収集(Do)
- 取引先、顧客などに対し、非常事態における自社の取り組みを公表(縮退に対する考え方など)
7. リスクコミュニケーション(情報管理)(Do)
- 正確で早期に情報を管理者が得るための仕組みつくり
- 出欠勤、り患者を一元的に確認する仕組みつくり
- 従業員、関係会社社員、派遣・委託社員、家族などへの情報配信と指示、健康状態などの情報収集
レスキューナウでは、企業の新型インフルエンザ対策、計画・備蓄・教育・運用の各項目に対応したソリューションをご用意しております。詳細はこちら
パンデミック対策 有事の際のアクションフロー
2008年11月19日 | 個別ページ
パンデミックが起きた場合、危機管理としての各ステージごとのアクションとフローは、以下のような例で項目を整理します。 特に日本国内発生直後から、1日単位でのアクションが従業員を守り、事業を継続できるかのキーポイントとなります。
1. 海外で新型インフルエンザ発生時のアクション
- 新型インフルエンザ発生の国、正確な日時の確認と従業員および関係者への感染可能性の有無の調査
- 対策本部設置手順の確認、感染防止備蓄品の配布準備、従業員への情報周知
- 取引先、顧客、ステークホルダーに対する危機管理対策方針の事前説明
2. 日本国内で新型インフルエンザ発生時のアクション(海外発生後、最短3日後には、国内発生の可能性)
2.1 日本国内発生初日(Day 1)
- 新型インフルエンザ発生の場所、正確な日時の確認と従業員および関係者への感染可能性の有無の調査
- 対策本部設置と情報の一括管理
- 全従業員に対して、フェーズ4B発生を通知
- 当該エリア発生している場合には、外出従業員は、帰社せず、帰宅。その後外出自粛し、検温など健康状態を対策本部に報告
- 内勤従業員には、感染防止アイテム(N95マスク、保護ゴーグル、ビニール手袋、手指消毒剤など)を配布し、即刻帰宅指示
- 取引先、顧客などに対し、非常事態における社内体制を報告(業務停止および縮退に対する報告)
- 対策本部による情報収集と社内(オフィス内)感染者発生の準備
2.2 日本国内発生2日目(Day 2)
- 従業員の健康状態に関する情報の一括管理、感染有無の確認(外見、検温レベル)
- 全従業員に対し、最新の情報を通知
2.3 日本国内発生3日目(Day 3からフェーズ5B発生まで)
- 従業員の健康状態に関する情報の一括管理、感染有無の確認(外見、検温レベル)
- 全従業員に対し、最新の情報を通知
- 初発感染エリア以外の事業所従業員への自宅待機指示を状況に応じて判断し、通知
3. パンデミック初期(いくつかの都市に感染が伝播)発生時
- 感染拡大情報の収集
- 医療対策の実施(可能な場合)
- 備蓄品の数量確保と補充・配布
- 事業継続計画(BCP)として事業運営体制変更検討
- 全従業員への応急対応策、事業運営体制変更の周知・説明
- この時点の状況で最良と判断される感染予防策、感染拡大防止策の実施
4. パンデミック発生時
- 随時状況に応じた事業運営体制変更の検討と周知など
レスキューナウでは、企業の新型インフルエンザ対策、計画・備蓄・教育・運用の各項目に対応したソリューションをご用意しております。詳細はこちら


