【土砂災害防止月間】企業が確認すべき災害情報
こんにちは。レスキューナウです。
6月は土砂災害防災月間です!6,7月には梅雨で雨の日が多くなりますが、気をつけたいのは土砂災害です。
土砂災害はひとたび発生すると大きなエネルギーをもって押し寄せるため、人命にかかわる多大な被害をもたらします。
そして、いつ起こるのか?どこで起こるのか?が予想しにくいので、事前に対策したり、早めに避難することが大切です。企業のBCPの観点からも非常に注意すべき災害です。
そこで今回は土砂災害の仕組みや事前に準備できる対策をご紹介します。
この記事の目次[非表示]
- 1.土砂災害の主な種類
- 2.企業が確認すべき災害情報
- 2.1.土砂災害警戒区域・土砂災害危険箇所を確認する
- 2.2.土砂災害警戒情報を確認する
- 2.3.土砂キキクルを確認する
- 2.4.レスキューWeb MAPで確認する
土砂災害の主な種類
土砂災害には主に土石流、地滑り、がけ崩れの3種類があります。
それぞれの特徴や前兆、近年の発生例を紹介します。
土石流
土石流とは?
土石流は長雨や集中豪雨によって山腹や川底の土砂・石が一気に下流に押し流されるものです。
土石流が流れてくる速さは時速20~40kmで自動車レベルのスピードなので、人間が走って逃げるのが難しいほどです。
流れてくるものは大小さまざまですが、トラックくらい大きな岩や、土石流が飲みこんだ大木も流れてきます。
土石流の前兆
土石流の前兆としては
- 山鳴り
- 腐った土の匂い
- 立木の割ける音、石がぶつかり合う音
- 川の水の濁り、流木が混じる
- 雨が続いているのに川の水位が下がる
があります。
近年の土石流
2021年7月に静岡県熱海市伊豆山地区の逢初川で発生した土石流災害では大規模な被害が発生しました。
当時は東海地方から関東地方南部を中心に記録的な大雨となっていました。48時間の降水量は321mmを記録し、これは現地の7月の観測史上最多の大雨でした。
宿泊や飲食などの事業者も建物の損傷など被害が発生しています。
地滑り
地滑りとは?
地滑りは土地・斜面の一部・全部が地下水の影響や重力によって斜面の下の方にゆっくり移動するものです。
土地自体に亀裂や段差ができたり倒木が起こり、建物が壊れます。道路が寸断したり、河川のせき止められることで上流の方にある建物が水没します。せき止められた土砂が決壊すると下流に洪水が押し寄せることもあります。
このように被害が拡大しがちです。日本国内は梅雨や台風などによる豪雨が頻繁に発生するのと、地質的な脆弱性もあり、各地でよく発生します。
地滑りの前兆
地滑りの前兆としては
- 地面のひび割れ、陥没
- 井戸や沢の水が濁る
- 樹木が傾く
- がけや斜面から水が出る
- 地鳴り、山鳴り
- 亀裂や段差が発生する
があります。
近年の地滑り
2020年7月には長崎県佐世保市で大規模な地滑りが発生しました。
梅雨前線による記録的な大雨が原因でした。雨量が多い際は土砂災害の前兆に気をつけておくことが大切です。
がけ崩れ
がけ崩れとは?
がけ崩れは雨や地震などによって斜面が急激に崩れ落ちる現状です。
大雨や長雨で地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱めることが原因です。
崩れ落ちるスピードはとても速く、また前触れがあまりなく突然発生することが多くなっています。その点が地滑りとの違いと言えます。
がけ崩れの前兆
がけ崩れの前兆としては
- がけにひび割れができる
- がけから水がでる
- 湧き水が濁る
- 湧き水が止まる
- 小石が落ちてくる
- 地鳴りがする
があります。
近年のがけ崩れ
2019年10月、神奈川県相模原市や横浜市港南区で発生したがけ崩れでは、人的被害や道路寸断などの被害がありました。
台風による大雨が原因とされています。台風が通過した後に発生しており、台風による風雨だけでなく、その後の土砂災害リスクにも警戒が必要です。
企業が確認すべき災害情報
土砂災害警戒区域・土砂災害危険箇所を確認する
土砂災害の危険性がある地区は「土砂災害警戒区域」「土砂災害危険箇所」とされています。
企業の事業所がこれらの地域内に位置していないか事前に確認しておきましょう。
国土交通省のハザードマップポータルでは洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを地図や写真に自由に重ねて表示できます。
このハザードマップポータルでは、指定した市区町村のハザードマップも閲覧することができます。
土砂災害警戒情報を確認する
土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)の発表後、命に危険が及ぶ土砂災害がいつ起きてもおかしくない状況のときに発せられるものです。
気象庁と都道府県が共同で発表し、市町村が避難指示を発令するときの判断や、住民の自主避難の判断を助けるために、対象の市町村を特定して警戒を呼びかけます。
リスクが高い場所からの避難が必要な警戒レベル4に相当します。
土砂キキクルを確認する
土砂キキクルは気象庁のサイトで大雨警報(土砂災害)・洪水警報の危険度を見られるものです。
土砂災害、浸水害、洪水災害発生の危険度の高まりが5段階で地図上に色分けして表示されています。
警戒レベル |
警戒レベル相当 |
危険度分布* |
|
レベル5 |
緊急安全確保 |
大雨特別警報 氾濫発生情報 高潮氾濫発生情報 |
(黒色) |
レベル4 |
避難指示 |
土砂災害警戒情報 氾濫危険情報 高潮(特別)警報 |
濃い紫、薄い紫 (紫色) |
高齢者等避難 |
高齢者等避難 |
大雨警報、洪水警報 氾濫警戒情報 高潮注意報 |
赤色 |
レベル2 |
ー |
大雨注意報、洪水注意報 氾濫注意情報 高潮注意報 |
黄色 |
レベル1 |
ー |
早期注意情報 |
ー |
※上記表は、災害対策基本法改正後の内容を反映しています。(レスキューナウ作成)
地図上での領域は1km四方で区切られており、2時間先までの予測値を用いて5段階で色分けされています。さらに常時10分ごとの更新がされています。
レスキューWeb MAPで確認する
レスキューWeb MAPは、先ほどご紹介した土砂キキクルや洪水キキクル・浸水キキクルの情報を確認でき、さらに、自社や取引先の拠点をプロットしておけるので、自社関係先施設との突き合わせ作業が自動かつ瞬時に行われるため、BCPの観点でも災害時の情報収集に非常に役立ちます。
また、レスキューWeb MAPは、
- 防災気象情報
- 内水浸水リスク
- 台風の暴風域
- 河川洪水危険度分布
- 道路・交通情報
- 電気情報
- 通信・システム障害情報
- NHKニュース
- 工場操業関連情報
このように様々な情報を地図上で確認できるものです。
いかがだったでしょうか?
リスク情報を予め集めておくことで突発的な土砂災害にも対応しやすくなります。
BCP対策や防災訓練の一助となれば幸いです。