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今夏から「熱中症警戒アラート」が試行発表(補足あり 8/13)

■この記事の情報は、2020年8月13日現在の情報です。

この記事の目次[非表示]

  1. 1.熱中症警戒アラートとは?
    1. 1.1.これまでの熱中症の情報は、環境省と気象庁で別の情報が発表されていた
    2. 1.2.熱中症警戒アラートは、両者の”いいとこ取り”
  2. 2.熱中症警戒アラートはいつ・どのように発表されるのか?
    1. 2.1.いつ発表されるの?
    2. 2.2.どのように発表されるの?
    3. 2.3.【要チェック】今夏の熱中症警戒アラートの発表は関東甲信地方の1都8県だけ
  3. 3.熱中症警戒アラートが発表されたら
  4. 4.まとめ
  5. 5.補足(8/13)
    1. 5.1.関東甲信地方でも「高温注意情報」が発表されている
    2. 5.2.愛知県なのに「熱中症警戒アラート」が出た

◆本記事には補足があります。記事一番最後の「補足」もご覧ください。

こんにちは。 レスキューナウ ブログ担当です。

6月に入ったばかりですが、今日も全国的に暑くなりました。 岐阜県の多治見では、きょう2020年6月5日14:21に、最高気温34.2℃を観測しています。

マスク使用する「新しい生活」の中、これからの暑い季節迎えて、熱中症が気になるところです。 その熱中症に関して注意を呼びかける情報が、今夏から関東甲信地方で先行して変わります。


熱中症警戒アラートとは?

これまでの熱中症の情報は、環境省と気象庁で別の情報が発表されていた

熱中症への注意を呼びかける情報は、環境省と気象庁で2種類の情報が発表されています。環境省「暑さ指数(WBGT)」と気象庁の「高温注意情報」ですが、両者は情報として一長一短があります。

環境省の「暑さ指数(WBGT)」は、気温だけでなく湿度や輻射熱(地面や建物・体から出る熱)の3要素によって出される指数で、より実際的で、かつISOで国際的にも規格化されている(=外国からの滞在者にも分かりやすい)のですが、ほぼ環境省サイト上での発表に限られ、広く伝わる手段がありませんでした。

一方、気象庁の高温注意情報は、気温が35℃以上になると予想される場合に発表されています。しかし、夏になればほぼ毎日35℃以上の気温が続きます。高温注意情報も毎日のように発表され、「慣れ」が生じて注意が注意と受け取られない状況となってしまいました(ちなみに、昨年2019年の夏に関東甲信地方で発表された高温注意情報は23回でした)。

また「気温が35℃以上になる予想」という情報以外は発表されず、この情報が何を意味するのか分かりにくいという側面がありました。 しかし、気象庁の発表する情報は、自治体や報道機関への伝達され、広く一般に伝わる経路が確立されている、というメリットがあります。


熱中症警戒アラートは、両者の”いいとこ取り”

そこで今夏から試行発表されるのが、「熱中症警戒アラート」です。 発表文には、

  • 予想される日最高暑さ指数(WBGT)
  • 予想最高気温
  • 避ける行動
  • 注意点

と、高温注意情報と暑さ指数(WBGT)両者の情報を含まれていて、さらに具体的な行動・注意点も挙げられています。発表も気象庁と環境省の共同で行われます。


環境省・気象庁「熱中症予防のための新たな情報発信に関する検討について 」(http://www.env.go.jp/press/files/jp/113796.pdf)より引用


熱中症警戒アラートはいつ・どのように発表されるのか?

いつ発表されるの?

翌日の暑さ指数(WBGT)予測値が33度を超えた場合に発表されます。予想最高気温ではありません。

前日夕方の17時頃に発表され、当日朝の5時頃に最新の予測に更新して発表されます。 もちろん、前日夕方に予測されなかったものの、当日朝に33度を超えると予測される場合も発表されます。

また熱中症警戒アラートの年間発表回数は、概ね7回程度になると試算されています。 従来の高温注意情報とは異なり、本当に熱中症への警戒が必要な日に発表されると見込まれます。


どのように発表されるの?

気象庁と環境省が発表した熱中症警戒アラートは、両省庁のサイトで発表されるほか、これまでの防災気象情報の発信同様に、気象庁から関係省庁、報道機関や民間気象事業者、(NTTや電力会社などインフラ系企業、都道府県(と、都道府県を通じて市区町村)に伝達されます。 都道府県から伝達を受けた市町村は、保育所、幼稚園や学校、公共施設でメールや放送を使った呼びかけを行い、住民に伝えるとされています。

また、これまで天気予報や注意報警報などと同じく、テレビ・ラジオ等、または各種天気予報サイトなどで熱中症警戒アラートの情報を受け取れます。恐らく、気象会社の提供するアプリ等でのプッシュ通知も行われると想定されます。


【要チェック】今夏の熱中症警戒アラートの発表は関東甲信地方の1都8県だけ

今年の夏は、熱中症警戒アラートが発表されるのは、栃木県、群馬県、茨城県、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、長野県、山梨県に限ります(なお東京都には、伊豆諸島の大島や八丈島など、小笠原諸島の父島など島しょ部も含まれます)。 関東甲信地方での試行配信で発表基準などを精査し、来年2021年5月から全国で発表が開始される予定です。 なお関東甲信地方では、従来の高温注意情報は発表されません(他の地方では従来の高温注意情報の発表を継続)。

→(追記)実際の発表を見ていると、「高温注意情報」と情報が出される場合もあります。詳しくは補足をご参照ください。


環境省・気象庁「熱中症警戒アラート(試行)の発表と確認方法」(https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/sg_epr/R0202/doc02-1.pdf)より引用


熱中症警戒アラートが発表されたら

基本的には、熱中症警戒アラート中に挙げられている行動を避け、注意をします。現在発表されている発表案では、

■避ける行動

  • 外出はなるべく避け、室内をエアコン等で涼しい環境にして過ごす。
  • 特別の場合以外の運動を行わない。
  • 発表される暑さ指数は主要地点のため、身近な場所での暑さ指数を確認し、熱中症予防のための行動を取る。

■注意点

  • 高齢者は、温度、湿度に対する感覚が弱くなるために、室内でも夜間でも熱中症になる場合がある。
  • 小児は、体温調節機能が十分発達していないために、特に注意が必要。
  • 晴れた日は、地面に近いほど気温が高くなるため、車いすの方、幼児等は、より暑い環境になる。

以上のような情報が発表されるとしています。 ここに挙げられている項目以外にも、水分を取る、熱を蓄積しない服装など、熱中症を避けるための行動を取るのが良いと考えられます。


まとめ

  • 熱中症警戒アラートは、環境省と気象庁の発表する情報と伝達手段の”いいとこ取り”
  • 従来の情報よりも、より具体的で伝わりやすい
  • 発表文中に具体的な行動や注意点も記載
  • 今夏は関東甲信の1都8県で試行発表


補足(8/13)

関東甲信地方でも「高温注意情報」が発表されている

実際の様子を見ていると、関東甲信地方であっても、テレビや自治体メールで「高温注意情報」と発表されている場面が見受けられます。 これは、気象庁発表のタイトルが「○○県高温注意情報(暑さ指数) 第1号」となっているためと考えられます。

発表が環境省と気象庁の連名となっており、発表本文の一番最後には「この情報は令和3年度からの全国展開を予定している「熱中症警戒アラート(試行)」に相当する情報です」と記されていることから、確かに今年度から始まった熱中症警戒アラートと読み取れます。

このような発表や自治体や報道期間を通じての伝達も、今後さらに変化する可能性があります。
熱中症警戒アラート(試行)(気象庁)
高温注意情報(気象庁)


愛知県なのに「熱中症警戒アラート」が出た

愛知県では今年、県独自で「愛知県熱中症警戒アラート」を実施しています。 これは「暑さ指数(WBGT)が33℃以上となることが予測される場合」に、愛知県から発令されるものです。 基準は気象庁が関東甲信地方で発表するものとほぼ同じです。

愛知県熱中症警戒アラートの実施について(愛知県)
愛知県熱中症警戒アラートの発令について(愛知県)


(参考文献)
環境省・気象庁 「熱中症予防のための新たな情報発信に関する検討について
環境省・気象庁「今夏の先行実施について(案)
環境省・気象庁「「熱中症警戒アラート(仮称)」(案)について
環境省熱中症予防サイト「暑さ指数(WBGT)について学ぼう
環境省熱中症予防サイト「暑さ指数(WBGT)の実況と予測」  



レスキューナウでは、現在 情報配信サービスコンテンツシェアサービス)で気象庁発表の地方・府県(都道府県)高温注意情報を配信していますが、この熱中症警戒アラートも配信します。

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