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手指の消毒とアルコール

■この記事の情報は、2020年9月4日現在の情報です。

こんにちは。
レスキューナウ ブログ担当です。

新型コロナウイルスの流行の後、見かける機会が増えた消毒剤。
特に手指の消毒剤は、ビルの入口やショッピングセンターの中など、あちこちで見かけるようになりました。

とはいえ、一口に消毒剤と言っても、様々なものが存在します。
今回はその中から、アルコール手指消毒剤を中心に消毒剤について取り上げてみました。

【注記】この記事中のパーセント(%)表記は、全て重量パーセントです。
なお本記事は、こちらの記事アルコールの濃度表記)もあわせてご覧ください。

この記事の目次[非表示]

  1. 1.洗うのか、消毒するのか
    1. 1.1.最初の大前提
    2. 1.2.新型コロナウイルスに消毒は有効
  2. 2.消毒の方法はたくさんある
    1. 2.1.石けん
    2. 2.2.次亜塩素酸ナトリウム
    3. 2.3.アルコール
  3. 3.アルコール消毒剤の選び方
    1. 3.1.手指に適したアルコール消毒剤は?
    2. 3.2.いちばん重要な「濃度」
  4. 4.リスクや保管もポイント
    1. 4.1.保管には消防法や条例の定めがある
    2. 4.2.火災や移し替えにも注意
    3. 4.3.危険なアルコールも
  5. 5.まとめ

洗うのか、消毒するのか

最初の大前提

新型コロナウイルスへの対策では、手指についたウイルスがドアノブや取っ手など共用する箇所に付着して、さらに触った人の手指にウイルスが付き、結果として感染が増える、という図式があります。
手指に付いたウイルスを洗い流す、または殺して無くすのが、手洗いや消毒をする理由です。

新型コロナウイルスに消毒は有効

今回流行している新型コロナウイルスに対しては、石けんを使っての手洗いや、アルコールなど消毒剤での消毒が有効とされています。
ただし、全てのウイルスにアルコール消毒剤が有効ではありません。

コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、ウイルスの周りを脂質による膜が覆っています。
この膜を石けんやアルコールが破壊し、ウイルスが死滅するからです。

一方、膜がないウイルスもあり、代表例としてはノロウイルスです。
​​​​​​​膜がないウイルスに対しては、石けんなどで洗い流すか、アルコールではなく次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒します。

消毒の方法はたくさんある

上でも触れましたが、消毒一つとっても、調べるといろいろな方法が存在します。何を消毒するのかによって、用いる方法も異なります。

今回は、その中でも新型コロナウイルス対策として、代表的な方法を中心に挙げます。

石けん

石けんは、ウイルスを殺すというよりも、洗い流すという観点です。
新型コロナウイルスには有効ですが、ノロウイルスなどは殺さなくても洗い流せます。

当然、石けんだけを手にこすりつけるのではなく、水での手洗いの際に使います。
裏返すと、水道の蛇口がある洗面所などが必要で、度々洗えない場合もあるのでは。
ただし、汚れに対しては効果的です。

次亜塩素酸ナトリウム

家庭でも、食器の消毒や漂白に使われる次亜塩素酸ナトリウム。
わかりやすく言えば、プールの臭いがする、台所用の塩素系漂白剤です。
(薄緑色のボトルにピンク色のキャップがされた容器に入った、よく台所の片隅やシンクの下に置いてあるアレです)

新型コロナウイルス流行初期、アルコール消毒剤が不足した際に、代わりに用いられる場面もありました。
台所で扱う際、間違えて触れるとすぐ洗い流してもヒリヒリするように、基本的には手指など身体用ではなく、食器やテーブルの消毒に用います。
ただし、金属には用いないでください。錆びてしまいます。

アルコール

さて今回の本題、アルコール。
すぐに乾いて、扱いやすく、手指の消毒に最も用いられています。
新型コロナウイルス対策としても有効で、もはや当然のように使われています。

いろいろな場所で、様々な容器に入れられて置かれているのを見かけ、なんとなく使っているのですが・・・
実はアルコール消毒剤にもさまざまなものが存在します。

アルコール消毒剤の選び方

その手軽さゆえに、無意識に使っているアルコール消毒剤。
しかし様々なものが存在します。

手指に適したアルコール消毒剤は?

アルコール消毒剤の容器をよく見ると「手指用」と書かれていたりします。
スプレータイプの消毒剤の中には、器具用の消毒剤もあります。

当然、アルコール消毒剤としては、どちらもその効果はほぼ同一です。
「手指用」とされる物の中には、肌を守る成分が含まれている製品もあります。
これは、繰り返しアルコール消毒剤を使い、肌が荒れることを防ごうとするものです。

しかし、差はそれだけではありません。

いちばん重要な「濃度」

実は、アルコール消毒剤を選ぶポイントが「濃度」です。
アルコール消毒剤の中でも、消毒に適したものはアルコール濃度70%の消毒剤だとされています。
国立感染症研究所では、濃度70%が有効としつつ、手に入らない場合は60%台の濃度でも許容されるとしています。
また、北里大学の研究では「多めのアルコールを1分間手指に揉み込む」とした上で、50%でも有効としています。

器具用の中には、スプレーすることを前提にやや濃度の高いものも存在します。
「高ければ高いほど良い」という訳ではなく、高すぎるとアルコールがすぐ蒸発してしまい、かえって効果が薄れます。

なおアルコール消毒剤が品薄だった一時期、一部で「アルコール含有」としつつ、僅かな量しか入っていない商品も存在したようです。

リスクや保管もポイント

保管には消防法や条例の定めがある

消防法では、60%以上の消毒用アルコールも「危険物」とみなされて、400リットル以上備蓄する場合には「危険物製造所等設置の許可申請」が必要です。
また、東京都をはじめ多くの自治体では、80リットル以上保管する場合に「少量危険物貯蔵取扱の届出」が求められます。

なお、濃度60%未満のアルコール消毒剤を、80リットル未満の量で保管する場合には、届出等は不要です。

火災や移し替えにも注意

アルコールは可燃性の危険物です。
条例や法律に定める量を下回っても、その保管には十分注意が必要です。
「アルコール消毒剤たくさん買ったので置いてこう」と保管した場所が、もし日向など高温になる場所だったら発火します。

また、時折聞く話ですが、「自分で買ってきた濃度の高いアルコールを、ペットボトルで水と混ぜて置いていたら漏れた」ということがあります。
ペット素材は、アルコールに弱く、穴が空いてしまうのです。
もし穴が空いた染み出したアルコールに誤って火が付いたら。
アルコールの火はガスなどに比べて見えにくく、気づかず燃え広がっていて、という可能性も無きにしもあらず、です。

危険なアルコールも

アルコールなら、何でも消毒に使えるとは限りません。
消毒用アルコールはほとんどが「エタノール」という種類のアルコールです。
一方、燃料用などのアルコールは「メタノール」という種類。

「戦後、物がない時代にメチールという密造酒をのんだら失明した」という話をきいたことがある方も多いのでは?
そのメチールがメタノールで、使用すると失明の可能性があります。
絶対に使わないでください。

まとめ

まとめると、以下のように言えます。

アルコールだけでなく、様々な消毒剤があり、目的に応じて使用する。
濃度と量に注意して保管条件に注意しつつ、調合や詰替えも危ない場合がある。
手指の消毒には、手指用のアルコールを使うのが無難。

ちなみに、ブログ担当が弊社の担当者に「何が手指用か、簡単に分かる方法は無いのですか?」と聞いたところ、こんな単純明快な答えが返ってきました。
「見た目です。手押しポンプ式の、いかにも手指の消毒に使いそうな形の容器に入っている消毒剤が、手指の消毒用ですよ」
なるほど、確かに。

なお本記事は、こちらの記事アルコールの濃度表記)もあわせてご覧ください。


(参考文献)
@gakugei_osm による 2020年4月7日13:09のツイート「【新型コロナウイルス】」(ツイッターアカウント 学芸員@大阪市立科学館 )
調理場における洗浄・消毒マニュアルPart1(文部科学省)
新型コロナウイルス感染症に対する感染管理(国立感染症研究所)
医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について Q&A(北里大学)
消毒用「エタノール」と、有害な「メタノール」の違いにご注意ください!(板橋区役所)

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