
停電のリスクと備え
こんにちは。レスキューナウです。
ガス・水道とならび、電気は私たちの生活に必要不可欠なもので、日々の社会・経済活動の生命線です。
そのため、ひとたび停電になってしまうと、各方面に様々な影響が出てしまいます。特に災害大国と呼ばれる日本では地震・火山噴火・気象災害による停電リスクが存在します。
そこで今回は、比較的事前の予想がつきやすい「気象」を起因とする停電リスクと事前の備えについて確認してみましょう。
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この記事の目次[非表示]
- 1.停電のリスクが高まる気象現象
- 1.1.強風・暴風・落雷
- 1.2.降雪
- 1.3.地震・津波等
- 1.4.意外と見落としやすい気象情報
- 2.身の回りの備え
- 3.まとめ
停電のリスクが高まる気象現象

強風・暴風・落雷
強い風が吹くと停電のリスクは高まります。
例えば、台風による強風・暴風、大気が不安定なことによって起こる落雷等です。
また、近年たびたび話題になる、猛暑による電力需要の急増と、それによる停電の可能性も見過ごすことはできません。
▼夏場の停電対策について知りたい方はこちらの記事もチェック
降雪
また、冬の季節に強い寒気が日本列島に流れ込むと風と降雪が強まります。これに加え、重い雪が電線に付着すると、電線が縦に大きく揺れ、複数の電線が接触しショートが発生し、大規模な停電につながるおそれがあります。
このように、着雪や着氷・強風によって送電線が激しく上下運動する現象を「ギャロッピング現象」と言います。
雪の中でも「ぼたん雪」が多く降っているときには停電に対する警戒が必要です。「ぼたん雪」とは、気温や湿度が比較的高いときに降る水分を多く含んだ雪のことです。サラサラな粉雪と比べ、物にくっつきやすい性質があるため「ベタ雪」とも呼ばれています。
こうした雪が電線に多く付着すると、雪の重みで電線が切れてしまうことがあります。
雪の量によっては自動車のフロントガラスが割れてしまうほどの衝撃があることから、歩行などの際には頭上にも注意を払う必要があります。
このほか、強風や暴風で巻き上げられた海水が電線に付着し、漏電が発生して停電となるケースがあります。これは、海水の中に電気を通す塩分が含まれているためです。
こうしたケースは各地で確認されており、特に影響が大きかったのは2005年12月22日に新潟県下越地方で発生した「新潟大停電」です。ギャロッピング現象と電線に付着した海水によるショートが原因で発生し、最長31時間にわたる大規模な停電となってしまいました。
地震・津波等
2018年9月6日に発生した北海道胆振地方東部地震では、日本で初めてとなるエリア全域におよぶ大規模停電(ブラックアウト)が発生し、最大約295万戸が停電しました。
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震でも、震災後に北陸の広範囲で大規模な断水や停電があったことは記憶に新しいのではないでしょうか。
意外と見落としやすい気象情報
気象を起因とする停電については、事前に停電となり得る気象現象の発生予想を把握することが必要です。
具体的には、気象庁が発表する注意報や警報を常に確認することが、対策を講じる上で重要なポイントになります。
大雪や強風に関する気象警報・注意報のほか、意外と見落としてしまう可能性がある下記の情報についても、発表の有無をしっかり確認するとよいでしょう。
着氷注意報:
|
着雪注意報: |
気象庁ホームページより一部抜粋
身の回りの備え
情報の収集
停電が発生した際の情報収集については、電源の確保や持ち運びのしやすさの観点から「ラジオ」が有効なツールとなります。
スマートフォンのアプリでもラジオを聴くことはできますが、携帯電話の基地局が稼働していることが前提となります。そのため、基地局の稼働が停電などによって停止してしまうとアプリを利用することはできなくなりますが、ラジオであれば規格に対応した乾電池さえあれば停電時においても情報収集が可能となります。
なお、ラジオのAM波については、FM波に転換する動き(以下、「ワイドFMへの転換」)が出てきています。
ワイドFMへの転換後の周波数は90MHz以上となっているため、ワイドFMに対応したラジオが必要となります。
聴取する放送局のワイドFMへの転換について確認し、すでにワイドFMへの転換が進められている放送局については、受信状況や音質を確認するなどして、災害時においても情報収集に適しているか確認するとよいでしょう。
電源の確保
情報収集の手段としてラジオを紹介しましたが、SNSで情報収集をしたり、自らの安否や周辺の状況を発信したりするためにスマートフォンが欠かせないのも事実です。
携帯電話の基地局が稼働していることが前提となりますが、ポータブル型のバッテリーや小型の蓄電池を備えるなど、乾電池以外の電源も確保し、停電時においてもスマートフォンを利用できるよう備えておきましょう。
熱中症対策グッズの準備
夏場の停電といえば、クーラーが切れた際の熱中症対策が重要です。事前に準備しておけば暑さを和らげられるグッズの一部をご紹介します。
扇風機やサーキュレーターなどの家電
扇風機は、人に向けて風を当てて涼しく感じるために使用します。サーキュレーターは、オフィス内に風の流れをつくるために使用します。どちらも利用目的に応じて向き不向きがありますので最適な家電を選びましょう。蓄電池
扇風機やサーキュレーターなどの家電を動かすための電力を確保するために、蓄電池がオススメです。扇風機などはそこまで電力を消費しないため、蓄電池でも十分に動かすことが出来ます。ネッククーラー、冷却パック、ハンディファンなど涼感グッズ
最近では、ドラッグストア等で手軽に購入できる熱中症対策グッズがあります。ネッククーラーや冷却パックは電力を使用せずに体温を下げられるため、とてもオススメです。また、電池などで動くハンディファン等を備蓄しておくことで、多少涼しく感じることが出来ます。凍らせたペットボトル
普段から冷凍庫で水を凍らせ、凍ったペットボトルを持っておくことも有効です。冷たいペットボトルを首や脇の下に当てることで体を冷やすことができ、氷が解けたら水分補給も行えます。塩タブレットや経口補水液
備蓄用の保存水にはカリウムやナトリウムなどの電解質が含まれていないため、水分以外にも塩タブレットや経口補水液などを備蓄しておくことも大切です。
熱源の確保
冬場の停電で困るのが、暖をとることができないことです。
日頃から電気ストーブやこたつを使用している家庭では、自家発電機やポータブル蓄電池を用意したり、カイロを多めに備蓄しておくとよいでしょう。
また、電気を使用しないタイプの石油ストーブも有効です。
車の中で暖をとる場合には、エンジンをかける前、マフラーに雪が付着していないか必ず確認するようにしましょう。気がつかずにエンジンをかけてしまうと、車内に一酸化炭素が逆流して充満し、命を落としてしまうことにつながります。
照明の確保
停電時の照明は安全確保や生活維持に欠かせません。
周囲を照らすランタンや、目標をしっかり照らす懐中電灯、折ると光るサイリウムライトなどいくつかのタイプがあると安心です。
自宅やオフィスの照明を完全に落とし、どこにいくつ、どのタイプの照明があるとよいかイメージしてみましょう。
日常生活での利用
防災グッズの有効な使い方は「日常生活でも利用する」ことです。
懐中電灯であれば早朝や夜のジョギングやウォーキングに加え、通勤通学時にも持参すると安心です。日常から利用せず押入れに入れてしまうと、いざという時に取り出せないという可能性があります。
せっかくの便利なツールがまったく役に立たないという残念な結果にならないよう、日頃からの利用法も考えておきましょう。
まとめ
停電はいつどこで起こるか分かりませんが、事前にリスクとなる気象情報を把握しておくことで、被害を小さく抑えることができます。
ラジオやスマートフォン用の電源、照明、暑さ寒さをしのぐグッズなどを平時から少しずつ備えておくことが大切です。
また、防災グッズは「しまい込まず日常的に使っておく」ことで、いざというときに確実に取り出して使えるようになります。
本記事をきっかけに、ご家庭や職場で停電への備えを見直し、無理のない範囲で今日から一つずつ行動に移してみてください。
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《参考資料》
タイトル | URL |
東北電力|新潟県内の停電の原因と再発防止対策について(2006年1月13日) | |
気象庁|気象警報・注意報の種類 | https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_kind.html |
総務省|ワイドFM | https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/fm-seibi.html |












