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災害発生後の対応で「安全配慮義務」を問われることがある?

こんにちは。
レスキューナウ ブログ担当です。

これまでも、このブログでは、災害用備蓄品の管理や、備蓄用品を実際に使う記事などを公開してきました。
企業が従業員に対して、災害時に何を備え何をすべきなのか。
今回は、法律や条例で、どのように定められているのかを見ながら、考えてみます。

BCPと従業員への備え

何らかの災害が発生した際、BCP(事業継続計画)の観点から、従業員など関係者の安否を確認し、事業所など拠点の状況を把握する必要があります。現状を把握しなければ、中核的な事業をどのように継続するのかすら考えられないからです。

もちろん、これらの備えは災害発生後に最初から考えて始められません。事前に計画をし、その計画を繰り返しの訓練を通じて実践することが求められます。

労働契約法と「安全配慮義務」

BCPだけではありません。労働契約法という法律も存在します。

労働者の安全への配慮について定めた労働契約法第5条に基づく「安全配慮義務」も、災害発生時に、従業員の情報共有や適切な指示など安全を確保する関わる可能性があります。

「安全配慮義務」に関しては、労働災害や従業員の健康管理について言及されることが多かったのですが、近年は自然災害から身を守るための事前の計画や、災害発生後に適切な情報収集や共有を行い、指示を下さなかった場合にも「安全配慮義務を怠っている」と判断した裁判の判決なども見られるようになりました。

安全配慮義務に対する対策を進めることは、防災についても社内で考える良い機会です。
各部門から、安全配慮義務について意見出ししてもらい、全社的に防災を進めるきっかけにもできるのではないでしょうか。

東京都の「帰宅困難者対策条例」

東京都では、条例で帰宅困難者を生み出さないための事業者の責務を定めています。

条例では、事業者に、従業員との連絡手段の確保、避難場所や徒歩による帰宅経路の確認などを従業員に周知する責務を定めています。

その上で、災害後に従業員が一斉帰宅することを抑え、事業所内に3日分の飲料水や食料などを備えるようにも定めています。

条例として定めていなくても、例えば大阪府は、ほぼ同じ内容をガイドラインとして定めています。まずは今事業所がある場所の都道府県でどのような定めがなされているのか、把握するところから始めてはいかがでしょうか。

企業が行う、従業員に対する災害対応の備えとは?

以上、労働契約法や東京都の条例と、企業の防災、災害対応について見てみました。

法律や条例は、あくまでも最低限の規定です。東京都の条例に規定された「3日間の備蓄」に関しても、例えば過去の災害で断水が長引きがちだった地域では、次の災害でも長引く可能性があります。すると飲料水も3日では足りないかもしれません。しかし同時に、備蓄品を置くスペースの問題もあります。

また物の備蓄だけでなく、従業員に対する「災害の情報共有」を行う必要もあります。情報という、目に見えないものをやり取りし、緊急時に適切な指示をするためには、災害が起こる前から体制づくりや訓練しておく必要があります。

何をすればよいのか。何ができるのか。上記の安全配慮義務や帰宅困難者への対策を踏まえ、「企業が従業員に対してすべき備えとは?」を、それぞれの企業ごとの状況、実情を踏まえた上で、考えてみてはいかがでしょうか?

(参考文献)
【安全衛生知恵袋】安全衛生配慮義務を達成するには(東京技能者協会)
ビルメンテナンス業におけるリスクアセスメントマニュアル P14-16(中央労働災害防止協会)
災害関連裁判事例調査集(関東弁護士会連合会)
平成23(ワ)1274 損害賠償請求事件(仙台地方裁判所 第1民事部)
企業の安全管理(安全配慮義務)はどこまで責務を負うのか(1)<七十七銀行事例>(月間総務オンライン)
東京都帰宅困難者対策ハンドブック(東京都)
事業所における「一斉帰宅の抑制」対策ガイドライン(大阪府)