【保存版】企業の水害対策!早期対策の理由と5つの水害対策
こんにちは!レスキューナウです。
今回は『【大雨・台風】手遅れになる前に!企業の風水害対策はシーズン到来前の準備が肝心!』ということで、大雨や台風が脅威となる6月~9月に先んじて企業にBCPを中心とする対策をとっていただく企画となっております!
いざ水害リスクが高まると、災害対策本部、初動対応チーム、自衛消防組織を機能させることが必要であり、さらにはテレワークの時代ですから個人の安心・安全を守ることも必要となっています。
事前準備・初動対応という視点、会社・個人という視点で出来る対策をまとめました。
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この記事の目次[非表示]
- 1.なぜ、シーズンが来る前に大雨・台風の対策が必要なのか?
- 1.1.~対策には時間とお金がかかる!~
- 1.2.~対策には社員の意識を改革しないといけない!~
- 1.3.水害はどのくらい起こっている?
- 2.水害対策の取り組みを怠ると、、これだけは知っておきたいデメリットやリスク
- 2.1.人的被害(最も大切にしたい部分ですよね)
- 2.1.1.テレワークの社員まで守れるか?
- 2.2.物的被害(経営を圧迫してしまいます)
- 2.3.企業の継続すら危ぶまれる状況も・・
- 2.4.地球の裏側の調達先も視野に入っていますか?
- 3.大雨だけじゃない!水害にも種類がある!(知識)
- 4.ここだけは押さえて!水害対策5つのチェックポイントとは?
- 4.1.チェックポイント1:(事前準備)洪水リスクをどこまで把握できていますか?
- 4.1.1.ハザードマップを調べる
- 4.1.2.オフィスや自宅、取引先で想定される被害を ”具体的に” 想定する
- 4.1.3.被害を最小限に抑えるための ”具体的な” 対策をとる
- 4.2.チェックポイント2:(事前準備)3日分では危険!何日分の備蓄をしていますか?
- 4.2.1.自宅で最低でも2週間籠城する覚悟を(個人)
- 4.2.2.備蓄=防災備蓄品とは限らない(個人)
- 4.2.3.ローリングストック(個人)
- 4.2.4.食糧以外の備蓄、断水・停電対策(会社・個人)
- 4.2.5.会社にも長靴、雑巾、消毒剤(会社)
- 4.3.チェックポイント3:(事前準備+初動対応)自社、そして自宅の “水防”対策は大丈夫?
- 4.3.1.応急的に浸水をくい止める方法とは?
- 4.3.2.洪水は「汚水」である!
- 4.3.3.その場にある物で堤防を作る!(会社・個人)
- 4.3.4.避難する際にも浸水対策を!(会社)
- 4.4.チェックポイント4:(事前準備+初動対応)大雨接近の予報に備え、対応する方法とは?
- 4.4.1.気象情報のサイトを確認する
- 4.4.2.雨や風などの予報用語の基礎知識
- 4.4.3.自社に影響がありそうか確認する
- 4.4.4.実際の水害に対応できる体制は大丈夫か?
- 4.4.5.危険な箇所を確認する、補強する
- 4.5.チェックポイント5:(事前準備+初動対応)避難指示が発令されたらどうする?(個人)
- 4.5.1.避難所に行くだけが避難ではない
- 4.5.2.いつ・どこへ・どうやって?
- 5.初動対応の後はBCPを発動する
- 5.1.BCPとは?(事業継続計画とは?)
- 5.2.BCPの基本的な策定手順
- 5.2.1.ビジネス影響分析(BIA)
- 5.2.2.BCP(事業継続計画)を策定する
- 5.3.BCPを発動する
- 5.3.1.BCPを発動するかの判断
- 5.3.2.BCPを実施する体制を整える
- 5.3.3.BCPに基づく対策を実行する
- 5.3.4.BCPの見直し・改善
- 6.よくある質問
- 7.まとめ
なぜ、シーズンが来る前に大雨・台風の対策が必要なのか?
~対策には時間とお金がかかる!~
水害に限りませんが、いざ災害が起こってから対策をするのでは遅すぎます。
もし、社員が会社から帰れない状況になってしまったら水・食糧がないと大変です。
雨水がフロア内に浸水するのを防ぐ施設や対策グッズを用意するにも直前に発注するのでは間に合いません。
災害対応のシステムを入れる場合は経費はもちろんかかりますし、システムを入れるだけはだめでちゃんと使える状態にしないといけないので、1週間などではままなりません。
~対策には社員の意識を改革しないといけない!~
例えば安否確認のシステムを導入している場合、ぶっつけ本番でしっかり社員の安否が確認できるかというと全くそんなことはありません。
事前にメールアドレスなどの情報を全社員分 登録するのにどのくらいの期間が必要でしょうか?
登録が済んだとしても、いざ災害が起きたときに社員が全員報告をしてくれるように訓練をしておくことが必要になります。
訓練を一度でもやったことがある企業様なら、社員の安否確認回答率を100%にすることがいかに難しいかをご理解いただけるのではないかと思います。
安否確認システムの導入は一例ですが、こんな形で実際の災害が起こる前には最低でも準備を始めないと対策が間に合わないんです。
水害はどのくらい起こっている?
水害による被害額でいうと2021年は全国で約3700億円もの被害が出ています。
少し遡って2019年は統計開始以来の最大の被害額となり、約2兆1500億円を記録しました。
特に近年は豪雨による災害が多くなっており、企業側の対策は必須になっています。
水害対策の取り組みを怠ると、、これだけは知っておきたいデメリットやリスク
人的被害(最も大切にしたい部分ですよね)
言うまでもないことですが社員やその家族の命は会社にとって最も大切にすべきものではないでしょうか。
水害により会社のフロアに浸水が起きてしまうと一瞬で命が危険にさらされてしまうわけですが、フロアに浸水が起きる前から人的被害のリスクは高まっています。
フロアに浸水が起きる前でも、会社の外では道路が冠水し水浸しになっていたりしますので対策が必要です。慣れていないとパニックを起こしてしまう危険性があります。 フロアに浸水が起きてしまうとなおさらです。
パニックのまま慌てて避難しようとすると怪我してしまうことだってあります。命に別状はなくても人的被害です。
テレワークの社員まで守れるか?
これは社員全員が出社している状況下での話ですが、いまはこれだけではありません。
コロナ禍によりテレワークを導入する企業が一気に増えました。社員が全員その場にいたとしてもパニックが起きる中で指示を正確に伝えるのは大変です。それがこのテレワークが普通の状態で、どうやって社員の心的・身体的な健康を守ればいいのでしょうか。
事前に想定し対策していないと社員の命を守ることはできないとご理解いただけるのではないでしょうか。
物的被害(経営を圧迫してしまいます)
水害が起きた際の被害は人的被害にとどまりません。
社屋自体の被害です。建物が水に濡れてダメージを受けるのはもちろんですが、瓦礫が流れてくる状況なら、濡れたものを乾かすといった程度では原状回復が難しくなります。
オフィス内にある全てのものを屋外に出して床を乾かすといった対応が必要だったり、最悪オフィスを移転しないといけないレベルになることだってあります。
建物だけではありません。
会社内にはたくさんの資産が置かれています。工場なら、建物内にはたくさんの機械あります。浸水すると壊れてしまいます。修理ならまだしも買い替えとなると莫大なコストがかかります。
食品を製造している工場だとしたら衛生基準を取り戻すにも時間とお金がかかります。
建物や機械が被害を受けるとそのもの自体の損害額に終わりません。
それをこれからお話します。
企業の継続すら危ぶまれる状況も・・
機械が止まってしまうと当然生産・製造が止まってしまうので、納期・リードタイムが大幅に狂うことになります。
クライアント・取引先に納品するのが遅くなりますから、売上の入金もその分遅くなる可能性が高いのではないでしょうか。
その取引先も、さらに先にいる取引先に対しての取引先やエンドユーザーがいると思います。
エンドユーザーへの納期を守ることが取引先の経営をも守ることになる・・・と考えてみると、自社が取引先との関係を将来にわたって続けていくために取引先への納期からは目が背けられません。
人的・物的な被害が重なり損害額が膨らむ中で、売上も入ってこないとなると会社の経営、主にキャッシュフローに多大な影響を与えてしまいます。
そうなると営業の継続のみならず、企業の存続に関わる問題になってしまいます。
倒産リスクを避けるために必要なのは、入念な水害対策なのです。
地球の裏側の調達先も視野に入っていますか?
あなたの会社はどの会社から部品など調達をしていますか?
その調達は、さらにどこから調達していますか?
これを繰り返していくと、サプライヤーは地球の裏側にある国だったりします。
例えば、2011年にタイで大きな洪水が起こり、サプライチェーンが大きく乱れたといいます。
企業は調達品のサプライチェーンをさかのぼって、被害の影響を調べる必要がありました。
地球の裏側でなくても、国内の遠方の地域に取引先・調達先があることがほとんどではないでしょうか?
そんなことまで考えないといけないのか?と思ってしまいますが、それを劇的に効率化する方法も後述します!
では、どんな水害に備える必要があるのか。
まずは水害がどんなものか説明していきます。
大雨だけじゃない!水害にも種類がある!(知識)
ひとくちに水害といっても発生する仕組みが異なっています。
洪水、氾濫、高潮、波浪、津波について解説していきます。
洪水
まず洪水ですが、河川の水の量が著しく増えた状態をいいます。
河川敷だったり河原に行くと敷地がかなり広い割には川の部分は細いなあと感じられたことがあると思います。普段の川はそういうものなのですが、大雨・台風・大雪によって状況は大きく変わってきます。
川の水の量が増えると普段は歩ける河川敷は水につかります。水で河原が見えなくなります。
こんな形で、通常時に比べて異常に水量が増えている状態が「洪水」と呼ばれています。
氾濫
氾濫は大雨などの影響で町に水があふれてしまう状態をいいます。
それによって床下・床上浸水が起きてきます。
氾濫の仕組みは2種類あり、「内水氾濫」「外水氾濫」があります。
外水氾濫とは?(河川から)
洪水によって川の水が増え、それによって堤防が決壊(堤防やダムなどが壊れて崩れること)してしまう、堤防が無事でも堤防を水が超えてあふれてしまうことをさします。
あふれた水が濁流となって町に流れ込むと、オフィスの建物や家屋が飲み込まれたり、道路に出ている車や人まで流されてしまうリスクが高まります。
内水氾濫とは?
内水氾濫は、川から水があふれたのではなく、町の排水能力が大雨などの処理に追いつかず水があふれてしまうことをさします。
その地域に降った雨を川に排水するキャパシティを超えてしまい、最終的には下水道の逆流まで引き起こしてしまいます。
こうなると水に濡れるというより汚水に浸かる状態になるので、原状回復のためには乾かすだけではダメということになります。
高潮
潮位・水位が通常時より高くなる現象です。台風や低気圧による強風・気圧の変化によって水位が上がります。
海岸部には近づかないことが大切です。
波浪
波浪は強風で波がうねることいいます。
潮位が上がる高潮とは厳密には異なりますが、高潮で潮位が上がった状態で、波浪による波のうねりも加わると危険度が増してしまうので注意が必要です。
津波
海底で発生する地震によって生じる大きな波です。
海岸沿いの山体崩壊や海底で起こる地滑りで発生することもあります。
津波は数回にわたって押し寄せます。そのときに町を飲み込んでしまうこともあります。
町を飲み込むのは波が押し寄せるときだけでなく、波が引いていくときにも飲み込まれます。
津波が発生したら高地に避難しないと非常に危険です。
地球の裏側で起こった地震による津波が日本まで到達してしまうほど津波がもつエネルギーはすさまじく、特に注意が必要な水害の一つです。
ここだけは押さえて!水害対策5つのチェックポイントとは?
チェックポイント1:(事前準備)
洪水リスクをどこまで把握できていますか?
自社そして自宅がある地域の洪水ハザードマップを見たことはありますか?
例えば大雨が降ったときにその地域がどのくらい危険なのかを知っておかないと対策のしようがありません。洪水が起こってから見るのでは手遅れです。
事前にできるアクションはこちらです。
- ハザードマップを調べる
- 自社や自宅で想定される被害を “具体的に” 想定する
- 被害を最小限に抑えるための “具体的な” 対策をとる
ハザードマップを調べる
まずはハザードマップを調べるところから始めましょう。
ハザードマップとは自然災害における被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図をいいます。
(出典:国土地理院)
ハザードマップに載っているのは水害だけではありません。地震や火山のリスクについても掲載されています。
国土交通省が公開しているハザードマップポータルサイトはオンライン上で全国のハザードマップを確認できるので便利です。
ハザードマップでは、今の今起きている災害の動向については確認することができないものですが、リアルタイムの予測情報を地図上で確認するシステムもあります。
ゲリラ豪雨による内水氾濫現象を対象に、気象庁高解像度ナウキャストと地形(窪地率)をリアルタイム解析して1時間先まで予測するというようなシステムも生まれています。
オフィスや自宅、取引先で想定される被害を ”具体的に” 想定する
ハザードマップを使って確認することは、自社のどの拠点が浸水するリスクがあるのか?
どのくらい浸水するのか?どのタイミングで浸水する可能性があるのか?どこが安全なのか?
といったことです。
リスクとひと口にいっても、拠点の施設や備品がどうなってしまうのか?業務の継続はどうなってしまうのか?社員はどうなってしまうのか?社員の自宅や家族は大丈夫か?など解像度を上げていくと考えるべきことがたくさんあります。
被害を最小限に抑えるための ”具体的な” 対策をとる
場所ごとの水害想定はできました。次は、対応の準備を具体的に進めましょう。
水害のリスクが想定される数日前の対応、前日の対応、当日の対応を事前に考え、明文化しておくことで万が一急に災害が近づいてきたときでも落ちついて対応することができます。
リスク評価・注意喚起 |
対応準備 |
移動・避難 |
|
業務継続の目標 |
数日前の気象情報 |
一日前の気象情報 |
当日の気象状況 |
○○
○○
|
○○
○○
|
○○
○○
|
○○
○○
|
想定されるリスク |
数日前の対応 |
一日前の対応 |
当日の対応 |
○○
○○
|
<拠点施設・備品>
○○
○○
|
<拠点施設・備品>
○○
○○
|
<拠点施設・備品>
○○
○○
|
<業務>
○○
○○
|
<業務> ○○
○○
|
<業務>
○○
○○
|
|
当拠点の被害想定 |
<職員>
○○
○○
|
<職員>
○○
○○
|
<職員>
○○
○○
|
○○
○○
|
<自宅・家族>
○○
○○
|
<自宅・家族>
○○
○○
|
<自宅・家族>
○○
○○
|
<その他>
○○
○○
|
このような形で、気象庁が発表している防災気象情報や行動指針も参考にしながら、いつ・どこで・誰が・何に対して・どんなことを行うのかを事前に決めておくことが非常に大切になってきます。
チェックポイント2:(事前準備)
3日分では危険!何日分の備蓄をしていますか?
よく地震の対策として3日分の備蓄を用意しておくようにと、これまでは言われてきました。
それは災害が発生したら救助隊はまず救助を優先させ、救助が一段落してからようやく避難している人々への物資支援などが始まるからでした。なので、3日分は用意している企業、個人も多いのかと思います。
「東京都帰宅困難者対策条例」で人命救助のタイムリミットとなる72時間は従業員をオフィスに留めておくことが求められてきます。これは帰宅者が人命救助の邪魔になるのを防ぐためです。
なので、最低限として企業としてオフィスに3日分×従業員数の備蓄品を備えることが推奨されています。
でもそれだけで大丈夫なのでしょうか、、?
自宅で最低でも2週間籠城する覚悟を(個人)
3日分の備蓄で安全に過ごせるかというと、それでは少なすぎると言われています。
上記のように物資の支援までの間持ちこたえれば大丈夫という考えで3日間というのがよく言われていたことですが、実際は幹線道路が寸断されたりと交通網が壊滅的に寸断されることも想定する必要がでてきます。
さらに、感染症の感染拡大のために一歩も外に出れない期間は1週間では済まないといった見方もあります。
そうなると最低でも2週間以上の備蓄がないと会社・自宅で生き延びられない状況になってしまいます。
備蓄=防災備蓄品とは限らない(個人)
備蓄といっても、世間でいう防災備蓄品を買いこまないといけないわけではありません。
もちろん保存が効く食糧の確保は重要ですが、籠城するなかで必要なものは、日常生活で必要なものと同じもので良いケース、緊急時だからこそ必要になるケースが考えられます。
必要がものが都合よく準備できているとは限らないので、自宅や会社にもともとあるもので何か有効活用できるものはないか?という視点は緊急時には重要になってきます。
ローリングストック(個人)
ローリングストックという考え方をご紹介します。
これは普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法をいいます。(日本気象協会より)
(出典:日本気象協会)
消費と購入を繰り返すことによって、備蓄品の鮮度を保ち、いざという時にも日常生活に近い食生活を送ることができるように日ごろから訓練の意味でも非常に有効な手段となっています。
使った分だけ買い足すので量は一定を維持するようなイメージです。
普段の生活で使ってしまって、いざというときには無くなっていたでは済まされませんので、古いものから使ったり、使ったら新しいものを同時に補充する工夫も必要です。
食糧以外の備蓄、断水・停電対策(会社・個人)
籠城に必要なものは食糧以外にもあります。
水道が止まってしまったり、停電になることもあります。
一日くらいなら何もなしでなんとかしのげるかもしれませんが、これが1週間を超えてくるとなると、やはり予め準備しておかないと危機を乗り越えることはできないでしょう。
断水が起きることを想定したり、トイレをどうするか?ということも想定しておく必要があります。
会社で一人一人に配るというのも緊急時にはなかなか骨が折れる作業です。
発災直後の籠城しないといけなくなったタイミングで便利なのは、一人ひとりのセットが分かれて保管されている備蓄品です。保管しやすければなおさら便利です。
レスキューナウの防災備蓄品セット「ユニット1Dayレスキュー」はA4サイズで保管しやすく、種類によってさまざまなバリエーションを用意しています。
・ペーパー歯磨き
・携帯型セーフティライト(発光時間12時間)
・大・小便共用簡易トイレ
・静音アルミシート
・ガーディVマスク
・滑り止め付軍手
・水に流せるポケットティッシュ
・オリジナルナップサック
・圧縮タオル
・コインナプキン
・3WAYポンチョ
・スマホ充電池
・ホイッスル
と、用途別に食糧以外のものも収納しています。
何が自社や自宅に必要な備蓄なのか、を考えるときに有効なのは、
「社外や自宅外から仕入れらないとしたら、生きていく上で困るものは何があるか?」という視点です。
時間をとってこの視点で準備しないといけないものをリストアップし、対策することを強くおすすめします。
会社にも長靴、雑巾、消毒剤(会社)
籠城しなければならないのは自宅だけではありません。
会社に人がいるときに災害が起こりオフィスに取り残されることまで想定にいれておかないといけません。
もしオフィスから自宅に避難することができたとしても、オフィス内の備えを万全にした上で帰宅しないと(もちろん身の安全が最優先です)、会社が水に浸かって復旧が難しくなります。
長靴や雑巾など作業に必要なものや、消毒剤など「あ、気づかなかったけど確かに必要だった」というようなものまで事前に会社に準備しておくと安全です。
チェックポイント3:(事前準備+初動対応)
自社、そして自宅の “水防”対策は大丈夫?
いざ水が押し寄せてくるとなったときに何も備えがないと、全て水に浸かってしまいます。
そうならないための対策をご紹介していきます。
応急的に浸水をくい止める方法とは?
まずは浅めの浸水をその場にあるもので防ぐ方法をご紹介します。
・プランターやポリタンクなどをレジャーシートで巻く(個人)
(出典:名古屋市役所)
・ゴミ袋に水を入れ段ボール箱に敷き詰める(会社・個人)
(出典:東京都下水道局)
・排水口もふさいでおきましょう。(個人)
(出典:東京都下水道局)
洪水は「汚水」である!
内水氾濫とは?の項目でもありましたが、下水道の逆流によって流れ出た水が浸水してくることもあります。
雨水や川を流れている水なら乾けば家財も元通り、ということもあるかもしれませんが、下水道から逆流してきた水となるとそうはいきません。
浸水を少しでも食い止めておくことが災害の被害を最小限にする方法です。
その場にある物で堤防を作る!(会社・個人)
特別な機材がないならその場にあるもので上記のように堤防をつくるしかありませんし、とにかく浸水を食い止めることができれば目的は達成できますので参考にされてください。
浸水を直接的に防げるものがないからといって何も浸水対策をせずに避難してしまったら(もちろん命の安全が最優先ですので急を要するときにはしかたのないことではありますが)、避難した後・災害がおさまった後に会社や自宅に戻ってきたときの復旧処置が大変なので、極力浸水を食い止める方法を考え対策をしたいものです。
避難する際にも浸水対策を!(会社)
会社においても、ただ避難するだけでは事業継続の観点からみると防水対策が万全ではありません。
社内の機材が水に浸かってしまうと営業が継続できなかったり、そのものの修理・交換費用がかさんで経営を圧迫してしまうので、
命を守るための避難を最優先にする一方で、もし時間の猶予が許されるなら、水が入ってこないように処置をほどこしてから会社を離れるようにするのが望ましいといえます。
最近では土嚢ではなく、こういった止水板も企業向けに販売されていますので壁を作るのに便利です。ぜひ検討いただくのが良いかと思います。
チェックポイント4:(事前準備+初動対応)
大雨接近の予報に備え、対応する方法とは?
テレビを見ていて「大雨接近の予報」が出たとします。
そんなときあなたならどうしますか?
見ていた番組をそのまま見続けるといった悠長なことはしてられません。
すぐにしてほしい、動き出していただきたいアクションはこちらです。
- 気象情報のサイトを確認する
- 自社に影響がありそうか確認する
- 危険な箇所を確認する、補強する
気象情報のサイトを確認する
気象庁が「早期注意情報」というものを提供しています。
これは警報級の現象が5日先までに予想されているときに高・中の2段階の確度でお知らせしてくれるものです。
(出典:気象庁)
気象庁のホームページにはこれ以外にも
・土砂災害警報情報
・大雨警報(浸水害)の危険度分布
・洪水警報の危険度分布
などの情報も載っていますので、万が一の際は参考になさってください。
雨や風などの予報用語の基礎知識
気象庁が天気予報などで使用している予報用語は多岐にわたります。
気圧や気圧配置、高気圧、低気圧、台風、天気図、エルニーニョ、各種天気、風、波浪、潮位、気温、湿度、降水、氷、霜、霧、雷、日照時間、海氷、季節現象、予報の各種名称、各種気象災害、河川、洪水、大雨浸水、地面現象、大気汚染、気象通報、特別警報、警報、注意報、気象情報、、などこちらの詳しい詳細はこちらのリンクを参考になさってください▼
自社に影響がありそうか確認する
災害の影響を考える上では自社の拠点がどこにあるのか?は見逃せないポイントです。
しかし災害、特に大雨や台風にかかる水害はある地点に留まるというより刻一刻と地域を変えながら進んでいくことが多いです。
その場合に、いちいち紙やネットの地図と、自社の拠点の場所を突き合わせながらチェックしていくというのはものすごく骨の折れることです。
そこでレスキューナウではレスキューWeb MAPというサービスを提供しています。
上の図のようにあらゆる災害や危機の情報と自社の拠点を一つの地図上・画面上で重ね合わせてみることができるので大変便利なものです。
自社拠点だけでなくサプライチェーン拠点も地図上でチェックできます。
実際の水害に対応できる体制は大丈夫か?
水害対応は個人で実施するものではありません。
会社の組織として取り組む必要があります。各メンバーがそれぞれ役割をもって連携し合いながら被害を最小限に抑えます。
災害時は、社員やその家族の安否確認が必要だったり、拠点の被害情報を報告して、トップマネジメントが対応策を決定していかなければなりません。
上記のような組織的な動きをぶっつけ本番でやるのは至難の業です。
このような体制をどうするか?を事前に確認しつつ、平常時は万が一に備えて訓練も行いたいものです。
レスキューナウでも初動対応チームの訓練・災害対策本部の訓練の訓練支援もしているのでぜひ参考になさってください。
危険な箇所を確認する、補強する
水害前に気づいた、「ここが危なそうだ」という箇所は実際に確認しておきましょう。
自社に影響がありそうなら該当拠点への注意喚起もすべきです。
上述の早期注意情報のところでもあったように、5日前から来るのが分かっている災害について、出来るだけ早く影響がありそうな拠点に注意喚起することも会社としてできるアクションではないでしょうか。
さらに施設などで補強や修繕が必要な場合は速やかに実施し水害に備えることが大切です。
こういった物理的な備えも水害が過ぎ去った後いかに早く復旧するか?というBCPの観点で重要なアクションになってきます。
チェックポイント5:(事前準備+初動対応)
避難指示が発令されたらどうする?(個人)
次は避難指示の発令への備えになります。
避難に対する考え方は昨今の新型コロナウイルス感染症の蔓延によって急速に変わってきています。
避難所に行くだけが避難ではない
避難所は地域の公共施設であることが多いためたくさんの人が収容できるようになっています。
ただ逆にそれが課題になりつつあります。
たくさんの人が入るということは集団感染のリスクが高いことに他なりません。
そこで出てきた考え方が「在宅避難」です。
(出典:世田谷区 在宅避難に備えよう)
在宅避難とは、災害が発生したときに自身や家族にケガがなく、住居にも危険な損傷がなければ、多少不便であっても、自宅で避難生活を送ることと解説されています。
避難所での生活はストレス過多になる恐れがあるので、逆に住み慣れた家で暮らすことによってストレスが減り、心身の健康が維持しやすいメリットがあるといわれています。
いつ・どこへ・どうやって?
在宅避難という選択肢も踏まえて、どのタイミングで避難をするのか?
どこの避難所に、または自宅に避難するのか?
どうやって避難するのか?準備すべきものは何か?を事前にチェックリストをもとに準備しておくことが大切です。
初動対応の後はBCPを発動する
BCPとは?(事業継続計画とは?)
BCPは、「Business Continuity Planning」の略称で、企業が災害や非常事態に備えて事業継続性を確保するための計画のことを指します。
具体的には、自然災害やテロ攻撃などの災害発生時において、従業員や顧客、サプライヤーなどに安全を確保し、事業の継続を図るために必要な手順や業務の復旧プロセス、情報のバックアップ・復元方法などを事前に策定しておくことが含まれます。
BCPは、事業の継続性を確保することで企業の信頼性や社会的責任を果たすことができるとされています。
BCPの基本的な策定手順
事業継続計画(BCP)の策定するにあたってはまず、ビジネス影響分析(BIA)の実施します。
ビジネス影響分析(BIA)
ビジネス影響分析(BIA)は、事業活動における様々なリスクや災害発生時の影響度を評価し、事業継続計画の基盤となる情報を収集するための調査です。
主な調査項目には、事業継続に必要な業務プロセスやシステム、人的資源、物理的資源、およびリスクや災害発生時の影響度が含まれます。
BCP(事業継続計画)を策定する
BIA(ビジネス影響分析)に基づいて、リスクに対する対策を策定します。
具体的な対策には、業務プロセスの代替手段の確保や復旧計画の策定、データのバックアップや復旧方法の確保、現場での緊急対応体制の確保、およびBCPの活用方法の確認が含まれます。
また、BCPに必要な関連情報の整理、BCPの実施計画の策定、BCPの実行体制の確立なども重要な対策の一つです。
BCPを発動する
災害発生時には、BCPに基づいた緊急対応が必要となります。
具体的な現場対応には、BCPに従った行動の実施、関連情報の共有、BCPの実施状況の確認、および復旧計画に基づいた業務プロセスの復旧などが含まれます。
BCPを発動するかの判断
BCPの発動は発災後4~6時間が目安となっています。発動の判断は以下を考慮します。
・災害の発生状況
災害の規模や影響範囲、被害状況などを確認し、事業活動に与える影響を評価します。
・事業活動の重要度
BCPの対象となる事業活動が、企業の継続的な運営にとってどの程度重要かを判断します。
・復旧までの時間
被害状況から想定される復旧までの時間を見積もり、BCPの発動時期を決定します。
・リスクの拡大防止
災害の影響が拡大する可能性がある場合は、早期のBCP発動が必要です。
・ステークホルダーの要望
ステークホルダー(株主、顧客、社員など)からの要望や影響を踏まえて、BCPの発動判断を行います。
これらの要素を総合的に判断し、BCPの発動可否を決定します。また、BCPの発動にあたっては、BCPを担当するチームや担当者、発表内容や連絡先などの準備も必要です。
BCPを実施する体制を整える
・BCP担当チームの設置
BCP担当チームは、組織内の各部門から適切な人材を集め、BCPに関する専門知識を持つ人材を中心に構成されます。BCP担当者は、BCPの実施に関する責任を持ち、BCP担当チームと連携しながら、BCPの策定、実施、検証、改善などを行います。また、関係者に適切に情報共有する役割も担います。
・トレーニングの実施
BCPの実施に必要な知識や技術を習得するために、BCP担当者に対してトレーニングを実施します。トレーニングでは、BCPの策定、実施、検証、改善に関する基礎的な知識や技術を習得することが求められます。
・BCPの実施体制の確立
BCPの実施体制を確立し、BCP担当者がBCPの実施に必要な情報や資源にアクセスできるようにします。また、BCP担当者がBCPを適切に実施できるように、システムや設備の整備、予算の確保、必要な訓練や教育の実施なども行います。
BCPに基づく対策を実行する
緊急時の具体的な現場対応には、BCPに従った行動の実施、関連情報の共有、BCPの実施状況の確認、および復旧計画に基づいた業務プロセスの復旧などが含まれます。
BCPの見直し・改善
BCPの計画を継続的に見直し、企業のリスクや業務環境に合わせて改善を行います。
また、災害発生時における対応の実績を分析し、BCPの改善点を洗い出します。
よくある質問
水害に対しての対策は?
本記事の「.ここだけは押さえて!水害対策5つのチェックポイントとは?」からお読みください。
水害が起きた時の行動は?
本記事の「チェックポイント3:(事前準備+初動対応)自社、そして自宅の “水防”対策は大丈夫?」からお読みください。
水害対策 誰が?
本記事の「~対策には社員の意識を改革しないといけない!~」を参考になさってください。
防災 何する?
本記事の「.ここだけは押さえて!水害対策5つのチェックポイントとは?」からお読みください。
店舗の水害対策は?
本記事の「チェックポイント3:(事前準備+初動対応)自社、そして自宅の “水防”対策は大丈夫?」を参考になさってください。
水害倉庫とは何ですか?
水防倉庫とは、洪水や大雨などの自然災害に備え、水の浸入から物品や設備を保護するための施設です。水防倉庫には、浸水に強い構造や設備が備えられており、水の浸入による被害を最小限に抑えることができます。
水害の原因は何?
本記事の「大雨だけじゃない!水害にも種類がある!(知識)」を参考になさってください。
水害のときの避難の仕方は?
本記事の「チェックポイント5:(事前準備+初動対応)避難指示が発令されたらどうする?(個人)」を参考になさってください。
水害 どこに避難する?
本記事の「チェックポイント5:(事前準備+初動対応)避難指示が発令されたらどうする?(個人)」を参考になさってください。
水害の避難の注意点は?
本記事の「チェックポイント5:(事前準備+初動対応)避難指示が発令されたらどうする?(個人)」を参考になさってください。
水害 何が必要?
本記事の「.ここだけは押さえて!水害対策5つのチェックポイントとは?」からお読みください。
水害が起きやすい場所は?水害が起こりやすい場所は?
本記事の「チェックポイント1:(事前準備)洪水リスクをどこまで把握できていますか?」を参考になさってください。
水害 起こるとどうなる?
本記事の「水害対策の取り組みを怠ると、、これだけは知っておきたいデメリットやリスク」からお読みください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は大雨や台風がくるシーズン前から備えておくべき水害対策について出来る限り解説しました。
すぐにできること・できないことあると思いますが、少しでも多く実践していただき皆様の水害対策の一助となれば幸いです。
▼この記事の内容は以下のリンクから資料としてもダウンロードいただきます▼
【参考記事】
自衛水防(企業防災)について『工場・事業所等の浸水対策』ということで、
国土交通省でも特集ページがございます。
ご参考になさってください▼
出典:
ハザードマップ
https://www.gsi.go.jp/hokkaido/bousai-hazard-hazard.htm
国土地理院ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/
国土交通省 用語解説
https://www.cbr.mlit.go.jp/kisojyo/explanation/index.html
世田谷区 在宅避難に備えよう
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kurashi/007/002/001/004/d00185983.html
日本気象協会 ローリングストックについて
https://tokusuru-bosai.jp/stock/stock03.html