【3分以内が肝心】火災時の初期消火の方法（オフィスでも！）

こんにちは。レスキューナウです。

毎年3万件以上も発生する火災、一度は現場に出くわしたり、消防車が出動するのを見かけたことがあるのではないでしょうか。

火災が発生したときは、いかに早く火災に気づき、いかに初期の段階で消火を行うか、が重大な被害を生まないためにとても大切です。

これからの季節は空気が乾燥し、火災が起きやすいシーズンを迎えます。火災は人命に危険を及ぼし、大切な資産に大きな損害を与えます。

今回はこうした事態を防ぐための防火と初期消火について解説します。

防火とは？

最優先すべきは「防火」です。
一般的なオフィスビルは防炎製品が使われており、床のカーペットにたばこを落としたりカーテンや壁紙をライターであぶった程度では火は付きません。

そもそも火の気自体ほぼ無いと思いますが、火災に発展する可能性はゼロではありません。過去には様々な原因で火災が生じています。リスクを日常から潰しこんでおくことで防火が維持できます。

一般的なオフィスでの火災に至る可能性を例示すると

• 劣化や傷ついた電源コードや制限を超えるタコ足配線からの出火
• リチウムイオン電池製品の落下や圧迫ほか不適切な扱いでの出火
• 電源周りのホコリ（清掃不備）からの出火
• 喫煙場所での不適切な吸い殻等の取り扱いからの出火
• ペットボトルや鏡等に当たり集光した太陽光による書類や備品等の過熱出火
• 気化した消毒用アルコールへの静電気着火
• 企業に恨みを持つ人物による危険物を使った放火
  

といったものがあり、一般住宅や飲食店、工場ではさらに出火原因が増えます。ただし、普段から想像力を働かせて上記で上げた原因をひとつづつ着実に排除していくことでリスクを低減できます。

初期消火とは？

建物の種類によりますが、一般的に3分以内に初期消火できないと壁や天井に延焼して市民や自衛消防隊による消火が難しくなると言われています。

火元の室内温度は、発生から5～10分で500℃程度に達すると言われており、一瞬で皮膚や呼吸器系に大やけどを負ってしまいます。煙やガスも充満し、あっという間に一酸化炭素中毒で意識を失うかもしれません。

仮に防煙マスクをしていても、濃密な煙に巻かれてしまうと方向はおろか自分がどのような姿勢でいるのかも分からない空間識失調に陥り、避難もできなくなると言われています。

映画やアニメのキャラクターのように水をかぶって屋内進入し人命検索するなど素人では不可能です。

こうなる前に、まずは徹底的に防火することですが、それでも不幸にして火災が発生した場合は小さいうちにすぐ消火することで、被害を局限できます。

初期消火の際の３つのステップ

初期消火を３つのステップに分けて解説します。

火災の発生を周囲に知らせる

「火事だー！」と大声で周囲に知らせます。

協力してくれる人を集めましょう。

火災報知器のスイッチを押す、ホイッスルを鳴らす、音の出るものを叩くなども肉声より広く音が響くので有効です。

正常性バイアスに惑わされないで！

非常ベルが鳴った時に、「あ、大丈夫、大丈夫。誤報だろう」と思ったことはありませんか？

緊急事態が起きているにも関わらず、集団と異なる行動を取りにくい心理状態です。

周りの人が逃げていないから、自分も逃げなくても大丈夫だと思ってしまうといった、心の安定を保つために働く「正常性バイアス」が、災害時においてはマイナスに働くこ とがあります。

例えば、危険が迫っていても、危険だと認識せずに逃げ遅れてしまうといった状態です。

ホテルや公共施設などで、非常ベルが鳴ったときに、とりあえず階段で降りて安全が確められたらエレベーターで戻る、というように、非常ベルが鳴ったらとりあえず避難の行動をとることが生存確率を飛躍的に高めてくれます。

正常性バイアスについてはこちらの記事も参考になさってください。

消防署に通報する

集まった人に対し、必ず手を差し向けるなどして相手を指定し、

• 「〇〇さんは119番通報お願いします！」
  
• 「△△課長は防災センターに連絡してください！」
  
• 「帽子をかぶったあなたは消火器を集めてください！」
  

といった具体に相手をしっかり指名や特徴を示して対象者に対応を依頼します。

「誰か119番してください！」だと誰かがやるだろうという意識が働き、結果的に誰も通報していなかったというケースもあると言われています。

もし、あなたが一人しかその場にいない場合は、初期消火の前に通報することが大切です。

初期消火を失敗してから通報してしまうと、火災が大きくなってから消防を呼ぶことになり、被害が拡大してしまいます。

とにかくまずはプロを呼び、それから初期消火をしましょう。

通報したときの会話の例です。

出典：東京消防庁「119番通報のしかた」

初期消火を行う

炎を消す

消火器のほか、清涼飲料の入ったペットボトル、バケツリレーでの注水、濡らしたホウキや大きな布で火を叩く、観葉植物の植木鉢に入っている土で炎を覆うなど、ありとあらゆるものを使って素早く初期消火を行います。

しばらく初期消火をしているのに消火できないときや、壁や天井に延焼してしまったときは、あなた自身の命が危険に晒されることになるので、初期消火にを中止して避難に移行します。

初期消火をする際につかえるのは、消火器や屋内消火栓（オフィスの廊下にもあります）、ペットボトル飲料、ひざ掛け（たたいたり、水を濡らして覆う）、観葉植物（鉢に入った土を火元に掛ける、枝葉で火を叩く）などがあります。普段から消火に使えるものの場所を把握し、使い方をイメージしておくと安心です。

排煙する

窓際に排煙窓が備え付けられている場合もあるので、その起動のためのボタンを押して窓を開放しましょう。

ブラインドなどが掛かっている場合は極力上げるか、引きちぎるかしましょう。

それと、可能なら防火シャッターや防火扉も起動させます。

これらは自動で作動するものもありますが、閉まる方向に障害物が置いてあると炎や煙を防げません。

普段からシャッターが下りてくるラインにはものを置かないように気を付けることが大切です（消防法でも規定されています）

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その場から逃げる

上記の通り、初期消火が難しいと判断したらすぐにその場から逃げてください。

火災の危険は炎だけではありません。

火災の死亡原因で大きな割合を占める一酸化炭素中毒ですが、一酸化炭素は無色無臭で目には見えません。自分の知らないうちに吸ってしまい、体が動かなくなってしまいます。

火が出る前のくすぶっている段階で一酸化炭素が多量に出ていることがあるので、火がそこまで燃え広がっていないからといって油断は禁物です。

他にも、避難の際に煙に巻かれて目の前が全く見えなくなり、身動きがとれなくなることが多々ありますので、姿勢を低くしてハンカチなどを口にあてて避難しましょう。

事前に確認しておくべきこと

初期消火を行うのにも事前に準備が不可欠なので解説していきます。

火災が発生したときは一刻も早く非難することが大切です。

そのためには事前にオフィスのフロアで避難口がどこにあるのか、避難経路はどうなっているのか、を平常時や訓練のときに確認して忘れないようにしましょう。

万が一火災が発生した際は、フロアが煙で充満し、30cm先が見えない状況になることもありえます。火災に伴い停電になることもあるので、そうなったときはしゃがみながら暗い中を避難しなければなりません。

事前に避難経路や避難口を把握しておくことがいかに大切かご理解いただけるかと思います。

防災訓練できていますか？

いかがでしたでしょうか？

初期消火の方法や、注意すべきポイントを解説しました。

ただやはり事前に実際にやってみないと、いざというときスムーズに動けないものです。

防災訓練の実施はもちろん法令で義務付けられていますが、今回の初期消火以外にも災害や危機に備えた防災訓練は多岐にわたります。

防災訓練については、可能な限り網羅的に解説したこちらのブログも参考になさってください▼

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