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台風の強さを判断する基準は?

こんにちは、レスキューナウです。


6月から10月にかけては「出水期」と呼ばれ、大雨や台風により河川が急激に増水しやすく、時には事業継続すら脅かされるリスクが高まります。

企業の防災・BCP担当者の方にとっては、この時期の台風情報が経営判断のカギを握ると言っても過言ではありません。


しかし「台風の強さとは、具体的にどの数値で決まるのか?」と改めて聞かれると、意外に明確に答えられない方も多いのではないでしょうか。


本記事では、気象庁が公表する台風情報の中でも、【気圧】や【風速】といった“強さを判断する公式な基準”をわかりやすく解説します。


複雑な専門用語をかみ砕いてお伝えしますので、日々の情報収集はもちろん、事業継続や外出可否の判断材料としてすぐに活用いただけます。


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この記事の目次[非表示]

  1. 1.台風の強さを判断する目安となる数値
    1. 1.1.気象庁が使用する表現について
    2. 1.2.過去3年間に日本列島へ接近した台風の数値
  2. 2.風速による影響
    1. 2.1.交通への影響
    2. 2.2.ライフラインへの影響
  3. 3.近年の「風台風」と「雨台風」の代表格
    1. 3.1.風台風の代表格「2019年台風15号」
    2. 3.2.雨台風の代表格「2019年台風19号」
    3. 3.3.昨年もっとも発達した「2022年台風14号」
    4. 3.4.速度が遅く甚大な被害をもたらした「2023年台風6号」
  4. 4.最後に


台風の強さを判断する目安となる数値

気象庁が使用する表現について

気象庁が台風の強さを表すために用いている表現には、明確な基準があります。

気象庁の表現
基準
想定される被害の目安
猛烈な台風
最大風速54m/s以上
送電鉄塔が倒壊するおそれがある
非常に強い台風
最大風速44-53m/s以上
電柱の倒壊や樹木が根こそぎ倒れることがある
強い台風
最大風速33-43m/s以上
自動車や列車が横転することがある
台風
最大風速18-32m/s以上
看板や屋根瓦が飛ばされることがある
温帯低気圧
最大風速17m/s以下
雨傘が壊れることがある

(参考:気象庁|台風の大きさと強さ (jma.go.jp)


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過去3年間に日本列島へ接近した台風の数値

そこで、過去3年間の最大値、最小値、平均値を算出してみました。


台風発生時、中心気圧や最大風速などの情報が発表されますが、「数値を捉える上で目安となる判断基準がなく分かりづらい」と感じている方も多いと思います。


最大
平均
最小
中心気圧
920hpa
969hap
1002hpa
中心付近の最大風速
55m/s
33m/s
18m/s
瞬間最大風速
75m/s
48m/s
25m/s

※台風発生時から温帯低気圧化するまでの数値を基に算出
※対象とした台風は以下の通りです。
 2022年:4号・5号・8号・11号・14号
 2021年:6号・8号・10号・14号・16号
 2020年:5号・8号・9号・10号・12号・14号


さらに、過去3年分の数値から中心気圧と風速の関係を算出してみました。

中心気圧が何hpa以下の場合にどのくらい強い風が吹くのかの目安になるかと思います。

中心気圧
中心付近の最大風速の平均値
瞬間最大風速の平均値
930hpa以下
52m/s
72m/s
950hpa-931hpa
45m/s
64m/s
970hpa-951hpa
38m/s
55m/s
990hpa-971hpa
27m/s
39m/s
991hpa以上
19m/s
28m/s


風速による影響

交通への影響

・ほとんどの高速道路は、風速20m/s-25m/s以上で通行止めになる
・ほとんどの鉄道会社は、風速25m/s-30m/s以上で運休になる

ライフラインへの影響

・最大風速35m/s以上(最大瞬間風速50m/s以上):電柱が倒壊する可能性がある
・最大風速40m/s以上(最大瞬間風速60m/s以上):送電鉄塔が倒壊する可能性がある


電柱や電線の損傷だけでなく、送電鉄塔が倒れてしまうと停電が長期化してしまいます。

最大風速40m/s以上が予想される場合、数日間に及ぶ停電に備えることをオススメします。


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参考までに近年発生した台風による大規模停電とその復旧所要時間を表にまとめました。

災害
最大風速
最大瞬間風速
最大停電件数
復旧までの時間
2018年台風21号
55m/s
58.1m/s
約240万戸
約120時間
2018年台風24号
55m/s
56.6m/s
約180万戸
約70時間
2019年台風15号
45m/s
58.1m/s
約93万戸
約280時間

※復旧までの時間=ピーク時から99%復旧するまでの所要時間



近年の「風台風」と「雨台風」の代表格

風台風の代表格「2019年台風15号」

中心気圧955hpa 最大風速45m/s


台風15号は記録的な強風となり、千葉県を中心に送電塔2本・電柱84本が倒壊、約2,000本の電柱が損傷し、大規模かつ長期間の停電が発生しました。


経済損失100億米ドル 保険支払額60億米ドル
※経済損失は2019年の世界3位、保険支払額は世界2位


雨台風の代表格「2019年台風19号」

中心気圧915hpa 最大風速55m/s


台風19号は記録的な大雨となり、河川の氾濫が相次ぎました。浸水面積は国管理河川だけでも約2万5,000ヘクタールに達し、西日本豪雨の約1.3倍以上に及んでいます。


経済損失150億米ドル 保険支払額90億米ドル
※経済損失も保険支払額も2019年の世界1位


昨年もっとも発達した「2022年台風14号」

2022年台風14号は18日(日)19:00頃、鹿児島市付近に上陸、九州を縦断し、その後北東寄りに進路を変えて中国地方から日本海に進み、20日(火)04:00過ぎに新潟市付近に再上陸、09:00に日本の東海上で温帯低気圧に変わりました。


17日時点では中心気圧910hpaまで下がり、この年一番発達した台風になりました。

日付
中心気圧
中心付近の最大風速
瞬間最大風速
9/15
975hpa
30m/s
45m/s
9/16
950hpa
45m/s
60m/s
9/17
910hpa
55m/s
75m/s
9/18
930hpa
45m/s
65m/s
9/19
975hpa
30m/s
45m/s


中心の気圧が「930hpa以下」または「最大風速50m以上」に達する台風の接近が予想される場合に発表される「台風の特別警報」。


平成25年に運用が開始されて以来、沖縄県以外で初めて「台風の特別警報」が発表された台風となりました。


速度が遅く甚大な被害をもたらした「2023年台風6号」

台風6号は8月1日(火)に沖縄地方に接近し沖縄本島は暴風域に入りました。北西へ通過したのちに進路を東へ変え、5日には奄美・沖縄地方は再び暴風域入り。


その後再度進路を北に変え9日から10日にかけて九州の西海上を北上し朝鮮半島へ進んでいきました。

2度暴風域に入ったことや、速度が遅く長時間停滞したため複数の線状降水帯が発生するなど、猛烈な雨が降り甚大な被害をもたらしました。

日付
中心気圧
中心付近の最大風速
瞬間最大風速
7/31
945hpa
45m/s
60m/s
8/1
930hpa
50m/s
70m/s
8/2
935hpa
45m/s
65m/s
8/3
940hpa
45m/s
60m/s
8/4
965hpa
35m/s
50m/s
8/5
970hpa
30m/s
45m/s
8/6
970hpa
30m/s
40m/s
8/7
970hpa
30m/s
40m/s
8/8
970hpa
30m/s
40m/s
8/9

970hpa

30m/s

40m/s​

8/10
985hpa
20m/s
30m/s


最後に

台風が日本列島に接近した場合、台風の情報だけでなく、気象特別警報や避難情報、河川氾濫情報や交通情報、停電情報、通信障害情報など幅広い情報をチェックする必要があります。


これらの情報収集と影響がありそうな対象拠点の抽出に時間を取られることで、実際の対策に費やす時間が短くなってしまうケースが少なくありません。


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