
【2026年6月まとめ】氾濫特別警報の初発表や、地震と台風が重なる「マルチハザード」状態の発生。改めて考える災害リスクへの備えとは
こんにちは、レスキューナウです。
2026年6月は、月初に台風6号が本州の太平洋側を横断し、新しい防災気象情報の運用開始後初めてとなる氾濫特別警報が和歌山県で発表されました。また、下旬には岩手県沖でM7.2、山梨県東部・富士五湖でM5.6と、強い揺れを伴う地震が台風7号・8号の接近と時期を同じくして相次いで発生し、月末には台風本体と梅雨前線による大雨で人的被害も出ました。
本記事では、弊社が収集した情報をもとに6月の主な災害を振り返ります。新しい防災気象情報がどのように活用されたのか、そして地震と台風という別種の災害への対応が同時に迫られた際、限られた人員でどう乗り切るか。企業防災・BCP(事業継続計画)の実効性を高めるための参考にしていただければ幸いです。
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【2026年6月3日】台風6号が紀伊半島に上陸、和歌山県で氾濫特別警報が発表
2026年5月27日にカロリン諸島で発生した台風6号は、南西諸島から種子島付近まで北上したのち四国沖を東寄りに進み、6月3日04:00頃に和歌山県南部に上陸しました。その後は東日本の南海上を進み、同日21:00に関東の東で温帯低気圧に変わりました。
台風本体の湿った空気と前線の影響で大気の状態が非常に不安定となり、徳島県・和歌山県・静岡県・神奈川県では線状降水帯が発生しました。三重県尾鷲市では3日06:00までの24時間に535.5mmの降水量を記録するなど、各地でこれまでの6月の記録を更新する大雨となりました。
和歌山県では、古座川水系古座川(古座川町、串本町)で氾濫が発生している可能性があるとして、3日05:35に「レベル5 氾濫特別警報」が発表されました。これは、5月29日に新たな防災気象情報の運用が開始されてから初めての発表です。
その後05:50には古座川町月野瀬付近で氾濫が発生しているとして、警戒レベル5の緊急安全確保が発令されました。また、徳島県阿南市でも緊急安全確保が発令されたほか、全国の広い範囲で避難指示や高齢者避難が発令され、避難対象人数は関東だけでも150万人以上に及びました。

レスキューWeb MAPで見た2026年台風6号通過時の紀伊半島南部周辺の様子(アニメーション)。
台風通過前に強い雨雲が通過し、避難指示・緊急安全確保エリアが増えていったことが分かる
この台風6号の影響で、負傷者35人、200軒以上の住宅被害があったほか、各地で交通機関の運休や停電などの影響もみられました。
【2026年6月25日〜28日】岩手県沖でM7.2、山梨県東部でM5.6の地震が相次ぐ
2026年6月25日07:30頃、岩手県沖を震源とするM7.2の地震が発生しました。青森県階上町で震度6強、八戸市で震度6弱の揺れを観測したほか、北海道から伊豆諸島にかけての広い範囲で震度5強~1の揺れを観測しました。
この地震により、青森県と岩手県で計17人が負傷し、建物800軒以上に外壁やガラスが破損するなどの被害がありました。また、東北新幹線が一部区間で運転を見合わせたほか、岩手県内で停電や断水が発生するなど、交通機関やライフラインにも影響が出ました。
この地震について、気象庁は巨大地震発生への注意を呼びかける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の発表基準を満たしているか調査を行いましたが、地震の規模を表すモーメントマグニチュード(Mw)は6.8と推定され、基準の一つであるMw7.0以上を満たさなかったことから発表には至りませんでした。岩手県沖ではこの後も地震が相次ぎ、28日05:21頃にはM6.1の地震が発生、青森県八戸市と岩手県普代村で最大震度5弱の揺れを観測しています。
▼ いまのうちに確認しておきたい「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは?
また、6月26日22:28頃には、山梨県東部・富士五湖を震源とするM5.6の地震が発生し、山梨県富士河口湖町で最大震度6弱の揺れを観測しました。この地震の影響で、山梨県や東京都など1都4県で計22人が負傷しました。また、東海道新幹線など一部の鉄道路線で運転見合わせやダイヤ乱れが生じたほか、中央自動車道や東名高速道路、新東名高速道路の一部区間が一時通行止めとなりました。
【2026年6月下旬】台風7号・8号が相次いで接近、長期化した梅雨前線の大雨で人的被害も
2026年6月下旬、日本列島に台風7号と台風8号が相次いで接近し、大雨による被害が相次ぎました。
台風7号は6月20日にフィリピンの東で発生し、25日から26日にかけて南西諸島を北上、27日日中に本州の南岸を東寄りに進み同日21:00に関東の東で温帯低気圧に変わりました。また、台風8号は6月23日にマリアナ諸島で発生し、日本の南海上を北上、7号に先行して27日朝に房総半島に接近して同日09:00に日本の東で温帯低気圧に変わりました。
2つの台風が日本列島に接近する前から、湿った空気の影響で本州付近に停滞していた梅雨前線の活動が活発化し、西日本・東日本の広い範囲で長期間にわたって大雨となりました。期間内の総雨量は九州で600mmを超え、24日は鹿児島県で線状降水帯が発生、薩摩川内市では家屋の浸水被害が相次ぎ、災害救助法が適用されました。また、26日は未明から朝にかけて近畿地方を中心に非常に激しい雨が降り交通機関に影響が出たほか、夜には山口県平生町で住宅が土砂に埋まり住民1人が死亡、3人が重軽傷を負いました。
レスキューWeb MAPで見た2026年6月24日から26日の西日本の様子(アニメーション)。
断続的に雨雲が通過し、紫色の避難指示エリアや危険警報エリアが増減していることがわかる
この一連の大雨により、死者1人・負傷者8人、家屋損壊13軒・床上浸水156軒・床下浸水285軒という被害が確認されています。台風本体の接近に加え、前線の停滞によって被害が長期化した点が今回のダブル台風接近の特徴といえます。
▼ 企業での風水害対策で何をしたらいいか迷われている方は以下の業種別資料もご参考ください。
6月の災害が示す、新しい防災気象情報とマルチハザードへの備え
6月は、5月末に運用が始まったばかりの新しい防災気象情報が初めて実際の災害で使われたこと、そして地震と台風という性質の異なる災害が同じタイミングで発生したことが特徴的な1か月でした。この2点を中心に、改めて確認しておきたい備えのポイントを整理します。
新しい防災気象情報への理解が問われた1か月
台風6号では、5月末に運用が始まったばかりの防災気象情報の枠組みのもと、和歌山県の古座川で氾濫特別警報が初めて発表されました。制度が変わった直後のタイミングでこうした事案が発生したことで、情報の意味や避難情報とのひもづきを正しく理解できているかが問われる形となりました。
防災気象情報は、運用開始や基準改定のタイミングで「発表される条件」や「情報が意味する危険度」が変わることがあります。今回のように新しい制度のもとで初めて発表された情報に接した際、現場が意味を誤解したり対応が遅れたりしないよう、平時のうちに社内で情報の見方をすり合わせておくことが重要です。
▼ 新しく運用が始まった防災気象情報について、改めて確認しておきませんか
「マルチハザード」状況下でも確実に対応していくために
6月下旬は、地震と台風の接近が時期的に重なった点が特徴的でした。岩手県沖でM7.2の地震が発生した6月25日は、台風7号が南西諸島を北上していたタイミングと重なり、山梨県東部でM5.6の地震が発生した26日は、台風7号が本州の南岸を進み、台風8号も日本の南海上を北上している最中でした。さらに岩手県沖でM6.1の地震が発生した28日も、台風7号・8号の接近に伴う大雨の影響が九州・近畿・中国地方で続いている時期にあたります。
つまり6月下旬は、「地震への警戒」と「台風接近に伴う大雨・交通影響への警戒」を、切り替えながらではなく同時並行で行わなければならない状況にありました。
もっとも、地震であっても台風であっても、「情報を収集する」「被害・影響状況を確認する」「対応を検討・実行する」「災害対策本部へ報告する」という初動対応のフロー自体は、災害種別によらずほぼ共通しています。多くの企業では、地震対応専任・風水害対応専任というように担当を分けられるほどの人員を確保できているわけではなく、同じ少人数のメンバーが共通のフローに沿って、複数の災害を同時に見ることになるのが実情です。
レスキューWeb MAPで見た2026年6月27日0時時点の本州から九州までの様子。
25日には東北地方、26日では関東・甲信越地方で強い揺れを感じる地震が発生、
さらに台風が日本列島に2つ接近、西日本を中心に強い雨というまさに「マルチハザード」の状況
問題は、フローが同じであっても、地震と台風という2つの災害の情報が同時に流れ込んでくると、限られた人員では「どちらの状況を確認できていて、どちらがまだ手つかずか」を頭の中だけで整理しきれなくなる点にあります。人員を増やして災害ごとに担当を分けるという解決策が現実的でない以上、少人数のままでも複数の災害の状況を横断的に把握し、対応の抜け漏れを防げる仕組みを用意しておくことが重要となります。
こういった同時多発型の災害・危機発生時の対応に強いのがレスキューナウの提供するオールインワン型BCPサービス「imatome」です。
拠点ごとにどの災害が発生し、どのような影響が出ているか、対応状況とあわせてダッシュボードで一元管理できます。地震と台風が同時に押し寄せるような局面でも、共通のフォーマットで両方の状況を並べて確認できるため、少人数でも「確認済み・対応中・未対応」の抜け漏れを防ぐことができます。
また、これまでにどんな情報が入り、何を収集し、どう対応してきたかという推移をレポート機能で振り返れるため、状況が二転三転する中でも時系列で経緯を追うことができ、災害対策本部・経営陣への情報共有がスムーズになります。
▼ 「imatome」についてはリンク先資料内で詳しく紹介しています
6月のように、制度が変わったばかりの防災気象情報への理解と、地震・台風が重なる同時対応、その両方が同時に問われる月は今後も起こり得ます。災害ごとに専任の担当を置けるほど人員に余裕がある企業ばかりではない以上、少人数のメンバーが複数の災害を掛け持ちで見ることになった際、「その時になって情報の意味を調べる」「どちらの状況をどこまで確認できているか把握しきれない」といった事態は起こりがちです。平時から最新の防災気象情報をキャッチアップしておくことに加え、少人数のままでも複数の災害を横断して状況を把握できる仕組みを整えておくことが欠かせません。
レスキューナウでは、24時間365日体制の「危機管理情報センター」を運営し、全国の災害情報やライフライン、交通機関の運行状況を収集・配信しています。貴社のエンドユーザー向け情報提供の拡充から、経営判断に直結する危機管理情報の提供まで、企業防災・BCPレベルの向上を多面的にサポートいたします。
自社の少人数の体制でも、今回のような複数災害の同時対応を乗り切れるか気になった方は、ぜひ企業パンフレットや導入事例から、貴社の状況に近い事例をご確認のうえお気軽にご相談ください。













