
【2026年台風25号】房総半島・三浦半島を中心に相次いだ土砂崩れや河川氾濫を「レスキューWeb MAP」で振り返る
こんにちは。レスキューナウです。
2026年台風25号で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
台風25号は21日に大型で強い勢力を保ったまま伊豆諸島付近を通過し、夜にかけて関東地方に接近、伊豆大島にはレベル5土砂災害特別警報が発表されたほか、千葉県や神奈川県では24時間降水量が観測史上1位を更新する地点が相次ぎました。そして千葉県の房総半島と神奈川県の三浦半島を中心に土砂崩れや河川の氾濫が発生し、大きな被害をもたらしました。
本記事では、弊社の収集した情報をもとに、当日の状況を時系列で振り返ります。「自社の拠点や社員に何が起きうるのか」を想像するためのケーススタディとして、また今後の台風対応における備えの見直しのヒントとしていただけますと幸いです。
▼ 今回の台風で改めて風水害対策を考えている方に以下の業種別資料がおすすめです
2026年9月21日〜22日、関東で何が起きていたのか
台風25号は南から暖かく湿った風をもたらし、関東地方では21日午前から強い雨が降り始めました。今回大きな被害を受けた千葉県・神奈川県には同日午前中には「レベル4 土砂災害危険警報」が発表されています。
昼には、台風本体が近づいた伊豆諸島で雨・風が一段と強まりました。12時22分に大島町で1時間に80.0ミリの猛烈な雨を観測し、12時40分には大島町に「レベル5 土砂災害特別警報」が発表されました。同じ頃、神奈川県には線状降水帯による大雨のおそれを伝える「線状降水帯直前予測」が発表され、14時台には横浜市で1時間に53.0ミリの非常に激しい雨を観測しています。
こうした状況を受け、避難指示の対象も広がっていき、21日夜には6都県70市町村の約90万世帯に発令されました(消防庁まとめより)。また、21日から22日にかけて、緊急安全確保が千葉県の佐倉市、君津市、袖ケ浦市、市原市、大多喜町、山武市と東京都大島町の計7市町に対して発令されました。
弊社の「レスキューWeb MAP」で降り続く雨と共に避難指示が発令される様子を表示したのが、以下のアニメーションです。
2026年9月21日の降雨と避難指示の変化の様子
未明から断続的に強い雨雲が流れ込み、午前中から避難指示が各地で発令されている
その後昼頃から台風本体の雨雲が流れ込むと避難指示エリアが広がった
台風25号は夕方から夜にかけて関東地方に接近しました。降り続く雨により千葉県では小糸川・高崎川・養老川で氾濫が発生し、佐倉市の高崎川周辺では多くの家屋が浸水しました。更に、高崎川下流にある成田市の北印旛沼では、堤防が複数箇所で決壊し、周辺に浸水が広がりました(千葉県発表より)。また、神奈川県では5河川6か所で水位が氾濫危険水位を超え、三浦半島を中心に各地でがけ崩れが発生しました。横須賀市では住宅が全壊し、三浦市でもアパートの1階部分が土砂でつぶれる被害が出ています(神奈川県まとめより)。
一連の大雨による関東地方での被害は、死者11人、行方不明者3人、住家の全壊20棟以上、床上浸水450棟以上となりました(消防庁まとめより)。
2026年9月21日16時の降雨状況および、大雨キキクル・洪水キキクル・水位計の様子
市街地が浸水被害に見舞われた千葉県佐倉市を流れる高崎川はこの時点で計画高水位を超えていた
また、大雨キキクルや洪水キキクルのメッシュの色と水位計の色が異なる箇所も多い
洪水や氾濫の危険度と実際の水位といった複数の情報を見比べる重要性がわかる
ライフラインにも大きな影響が出ました。停電は、千葉県では一時約5万9000軒に、神奈川県では一時約5600軒に達しました。断水は道路の崩落に伴う水道管の破損や停電の影響などで一時千葉県内の12市町村に広がり、通信も千葉県南部を中心に携帯電話各社で障害が発生しました。このうち千葉県では24日午前時点でも未だに約1万軒以上で停電が続いるほか、断水や通信障害も一部で継続しています。
鉄道路線も千葉県内で大きな被害がでました。台風接近時には千葉県や神奈川県を中心に広い範囲で鉄道の運転見合わせが発生し、中でも千葉県内では複数の線区で土砂崩れや路盤流出などの復旧のため、運転再開まで1ヶ月以上かかる見込みが示されました(JR東日本発表資料より)。
千葉豪雨と台風25号、被害の出方の違いとは
もう少し詳細な状況を見ていきましょう。
千葉県は約1か月前の8月13日から14日にかけても、「令和8年8月千葉豪雨」に見舞われています。ただ、同じ千葉県を中心とした大雨でも、今回は雨の降り方や被害の出方が少し異なりました。具体的にはどのような違いがあったのでしょうか。
8月の千葉豪雨では、線状降水帯による短時間の猛烈な雨が特徴でした。記録的短時間大雨情報が23回発表され、佐倉市や千葉市では1時間に120ミリ以上の雨を観測しています。その結果、道路の冠水が相次ぎ、下水道や排水路の処理能力を超えて水があふれる内水氾濫の被害も広い範囲に及んでいます。
2026年8月の千葉豪雨における降雨の変化。激しい雨が同じエリアに集中的に降った
一方、今回の台風25号では、千葉県内の1時間降水量は最大でも香取市の61.0ミリでした。記録的短時間大雨情報の発表も、伊豆諸島での1回にとどまっています。その代わり、長い時間にわたって雨が降り続きました。降り始めからの雨量は、東京都大島町で837.5ミリ、静岡県伊豆市天城山で546.0ミリに達しています。
2026年9月の台風25号における降雨の変化
断続的に強い雨雲が通過してから台風本体の強い雨雲が通過した
24時間降水量では、以下の地点で記録を更新しました。
- 観測史上1位:千葉県市原市牛久(392.5ミリ)、君津市坂畑(377.5ミリ)、船橋市(345.5ミリ)、佐倉市(322.0ミリ)、神奈川県三浦市(308.0ミリ)など
- 9月の1位:東京都大島町(686.5ミリ)、千葉市中央区(352.5ミリ)、木更津市(319.0ミリ)、横浜市中区(297.0ミリ)など
こうした雨の降り方を反映するように、今回は浸水よりも、土砂崩れや河川の増水・氾濫が目立ちました。
2026年9月21日19時ごろの土砂キキクルの様子
「危険」を表す紫色のメッシュが千葉県の広い範囲と三浦半島に現れている
今回のように長い時間の雨で土砂災害の危険度が高まる場面では、土砂災害の注意報・警報のほか土砂キキクルでの危険度表示も重要な判断材料になります。特に重要なのは「レベル4 土砂災害危険警報」で、警戒レベル4に相当し、避難指示に相当するレベルの情報です。今回土砂災害が発生した場所のほとんどはこの「レベル4 土砂災害危険警報」が発令されていました。
こうした事実から、改めて自社の拠点や通勤経路が土砂災害警戒区域にかかっていないかを平時に確認しておくことが大切であることがわかります。あわせて、大雨の際には「キキクル」で、どの地域の危険度が高まっているかを確認し、どのような危険性の情報がでてきたら、どのような行動をするかあらかじめ決めておくことが大切だということもいえるでしょう。
▼ 2026年改正の防災気象情報。改めてこの機会に確認しませんか?
迫る危険の情報に、すぐ対応できる備えを
今回は「レスキューWeb MAP」の画面とともに、台風25号の状況を振り返りました。
今回の台風では、本体が近づく前から大雨が始まり、長時間にわたって降り続いた雨によって、土砂崩れや河川の氾濫が各地で発生しました。さらに、停電は台風の通過から2日以上たっても続き、鉄道では復旧まで数か月を要する区間も出るなど、影響は通過後も長く残っています。
こうした台風への対応では、接近前の備えだけでは足りません。雨が降り続く間の土砂災害や河川の危険度の変化、そして通過後のライフラインや交通の復旧状況まで、継続して情報を追い続けることが欠かせません。そのうえで、土砂災害危険警報が発表された際や、交通機関の運休が長引いた際に「誰が」「何を基準に」「どう動くか」をあらかじめ決めておくことが、判断を後手に回さず、被害をできるだけ抑えるためには重要です。
レスキューナウでは、気象災害情報や鉄道運行情報、避難情報などを1枚の地図に集約する「レスキューWeb MAP」をはじめ、拠点や社員の安否確認・被害状況の把握を一元化する「imatome」など、いざという時にすぐ動けるための情報支援ツールをご用意しています。また、災害時の初動対応体制の構築の支援や災害対応訓練の支援を行う「アドバイザリーサービス」もご用意しています。
今回のような大雨への備えとして、自社の情報収集体制や対応フローを見直すきっかけに、ぜひご活用ください。
▼レスキューナウ総合パンフレットと導入事例集はこちら

















