
2025年9月 関東・東海を襲った大雨と竜巻、その時の状況は?
こんにちは。レスキューナウです。
9月は夏から秋へと移り変わる時期です。同時に、日本付近を台風や秋雨前線が通過するため、大雨や強風による被害のリスクが高まります。
2025年9月も例外ではなく、台風や秋雨前線の通過により災害級の大雨や突風が各地で観測されました。
本記事では、弊社が収集した情報を交えて、当時の状況を振り返ります。「あのとき、自社はどのように対応しただろうか」「事前の備えは十分だったか」を考えるきっかけにしていただき、企業防災や災害対応の参考にしていただければ幸いです。
▼ 2026年に大幅に変更となる防災気象情報のウェビナーを開催します
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【2025年9月5日】台風15号通過時に静岡県内で複数の竜巻発生
2025年9月4日から5日にかけて、台風15号が日本付近を通過しました。5日には紀伊半島から千葉県沖へと進み、静岡県の広い範囲で複数の竜巻が発生しました。
特に牧之原市では、風速75m/sと観測史上最大クラスの竜巻が発生したとみられています(2025年9月12日気象庁発表)。この竜巻により68名が重軽傷を負い、69戸が全壊、1,237戸が半壊・一部損壊の被害を受けました(2025年10月14日静岡県発表)。
台風通過前後には大雨も降っており、牧之原市内では13:00までの1時間に120mmの降雨が解析されました。この大雨により、富士山静岡空港の駐車場では車が数百台水没する被害が発生しています。
「レスキューWeb MAP」で当時の状況を確認すると、被害の広がりと時系列を把握できます。
2025年9月5日12時30分から13時30分における牧之原市周辺の降雨状況
▼ 牧之原市で竜巻が発生した際の状況はこちらでもまとめています
【2025年9月11日】東京都・神奈川県東部で記録的大雨を観測
9月11日には秋雨前線が活発化した影響で大気が不安定となり、東京特別区と神奈川県東部で記録的な大雨が観測されました。
東京都目黒区緑が丘では15:20までの1時間に132mmという猛烈な雨を観測しています。東京23区南部を中心に浸水被害が発生し、立会川では氾濫が発生。品川区は立会川沿いの一部地域に対し、警戒レベルが最も高い「緊急安全確保」を発令しました。
この大雨の影響で、沿線で特に猛烈な雨を観測した東急線を中心に、深夜まで列車の運転見合わせや運行の乱れが続き、帰宅する多くの通勤・通学者に影響が出ました。
2025年9月11日15時20分頃の東京23区南部から川崎市周辺の雨雲や河川の状況
▼ 9月11日に観測された東京23区南部での大雨・洪水の際の状況はこちらでもまとめています
2025年9月に発生した災害を振り返って見えること
2025年9月に発生した一連の災害を振り返ると、9月は8月に引き続き大雨の警戒が必要な時期であることを改めて確認できたかと思います。
9月は本記事で振り返りをした静岡の竜巻や東京の大雨だけでなく、茨城県つくば市周辺での竜巻発生や、北海道で観測史上初の線状降水帯が発表されるなど、様々な気象災害が発生しました。
これらの事象から、局地的な豪雨のみならず、台風や秋雨前線に伴う突風や大雨といった、多様な気象リスクへの警戒が重要であることが見えてきます。
こうした多様な気象リスクに備えるためには、最新の気象情報を正確に把握し、適切なタイミングで判断することが企業防災の鍵となります。そして、リアルタイムでの情報に気づき、行動することが、従業員の安全確保や企業の設備を守り、事業を継続するために重要な役割を果たします。
しかし、その判断の根拠となる「防災気象情報」が、来年大きく変更されることをご存知でしょうか。 準備が不十分なままでは、これまでの防災体制が機能しないものになる恐れがあります。
また、内容のインパクトに対し、情報が十分に発信されていない面や変更点がわかりにくい現状があります。
そこでレスキューナウでは気象予報士を交え、来年の防災気象情報改正について解説するウェビナーを【基礎編】・【発展編】の2回に分けて開催します。
企業の経営者や防災担当者の皆様、ぜひこの機会をご活用いただき、自社の防災体制や情報収集体制のアップデートにぜひお役立てください。